現役で難関大学に合格した高校生は、夏休みをどう過ごしていたのでしょうか。難関の国立大学医学部に、学校推薦型選抜の公募推薦で合格したれーずんさん(大学1年)に聞きました。(文・椎木里咲、写真・本人提供)

ひと夏で3つの全国大会に出場

―高校3年間の夏休みを振り返って、印象に残っていることを教えてください。

3年生の夏に、放送部と学校の課題研究活動で全国大会に出場したことです。放送部では、ラジオやテレビのドラマやドキュメンタリー番組作りを頑張ってきました。なかでもラジオドキュメントやテレビドラマ、ビデオメッセージ作品を中心に担当し、監督・脚本・取材・撮影・音声・編集などを行いました。

Nコンで行ったNHKホール

一つの作品を作るのに短くても2~3カ月かかります。週3~4日の放課後、部員みんなで協力して制作した努力が実り、3年生の夏休みに「NHK杯全国高校放送コンテスト(Nコン)」と「全国高校総合文化祭(2023かごしま総文)」の二つの全国大会に出場できたんです。

課題研究は、5人グループでシロアリの共喰い行動に関する研究をしていたのですが、学校の代表に選ばれて、8月に神戸で行われた「スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会」に参加しました。全国の高校生の発表を見て「本当に同年代の高校生がこれを研究したの!?」と思うような、創造的かつ高度な研究ばかりで、レベルの高さにただただ驚きました。科学の面白さを実感し、大学受験に向けた勉強のモチベーションアップにもつながり、良い刺激になりました。

Nコンで東京、総文で鹿児島、課題研究で神戸……、全国を飛び回ったのがいい思い出です。

高1から勉強習慣をつけたのがよかった

―高校1・2年生、3年生で、夏休みに何を意識しどんな勉強をしたか教えてください。

1年生のときから、塾の自習室に行く習慣をつけました。塾の授業を週3~4日受けて、残りの日は自習室で3時間程度勉強するかたちです。

使っていた教科書や問題集

3年生では、8月に課題研究の発表が終わってから受験生モードに切り替えました。塾に行って机に向かい、無理やり頭を切り替える(笑)。もともと勉強習慣がついていたのがよかったかもしれません。僕は公立高校に通っていて、私立高の人と比べると授業の進度が遅かったので、理科や社会の基礎固めに力を入れました。

話を聞かせてくれたれーずんさん

計画崩れや勉強の質低下に注意

―高校時代の夏休みの過ごし方で後悔していることはありますか?

3年生のときに部活や研究発表で日本各地に行ったので「やり切った」という思いが強く、後悔はないんです。でも、夏休みが終わった直後に「もっと勉強したらよかったかな」とは思いました。長期休みは勉強の計画を立てても「時間がある」と思ってしまうので、計画が崩れたり勉強の質が落ちたりすることもありました。

課題研究の発表会。終わってからは受験モードに

好きなことに全力を注いで

―後輩たちに夏休みを有効活用するためのアドバイスをください。

せっかくなら部活や好きなことに全力で取り組んでください。僕は中学校までは「勉強勉強!」って感じで、あまり部活に全力を注ぐタイプじゃなかったんです。でも高校で放送部に入って思いっきり取り組んでみたらすごく楽しかった。

なかなか得られない経験ができたので、部活に限らず自分の好きなことに精を出してみたらいいんじゃないかと思います。