中高生や保護者の皆さん、学校の情報を手に入れるために学校の口コミサイトや掲示板を見た経験がありますか? ある時、私が通う高校のページへの書き込みが、部内の混乱を招き……。(高校生記者・かずさ=3年)

顧問に関するデマが掲示板に

何となく自分の通う高校の口コミサイトを見ていて、思わず目を疑いました。私が所属する部活の顧問について、「暴言癖のある人」「生徒は顧問のことが怖くて逆らえずに我慢している」などいくつも書き込まれていたのです。

口コミサイトに目を疑った

顧問は悩みがあれば真摯(しんし)に聞いてくれるし、部員を気にかけ、声をかけてくれます。練習では細かいところまで根気強く教えてくれ、自主練に1時間以上付き合ってくれたこともありました。書き込みは事実に反するデマです。

受験生に与える影響も心配

書き込みのことは部内であっという間に広まりました。直接伝えてはいなかったものの、顧問の耳にも届きました。部員は「誰が書いたんだろうね」「誰がこんなことするんだろう」と、とにかく解せない様子。一部の部員は「その情報は間違っている」と書き込みにいくつも返信していました。

しかし、私が受験を控える中学生やその保護者だったら、たとえ現役部員が「デマだ」と書き込んでも不信感は消えないと思います。実際、「お母さんに入部してはダメだと言われました」「別の高校を受験しました」などのコメントもありました。

新入部員集めに不安

これから受験する中学生へのアピールや、入部して後悔させないための必死の活動など、努力を全て台無しにされて悔しかったです。部員たちの中では、「新入生歓迎会をしても今年は新入部員が入らないのではないか」と不安やピリピリとした空気が漂っていました。そんな中で、新歓を工夫し、なんとか目標に近い人数の新入部員を集められました。

「身に覚えがない、怖い…」

誰が書いたのか分からないため、この悔しさをどこにぶつければよいのかとモヤモヤが残りました。しかし、「うちの子」「生徒さんたち」という言い回しや文章の雰囲気から、なんとなく大人が書き込んだのではないかと感じています。

初めてデマが書かれてから数カ月後、顧問が「あれは傷ついた」と苦しげに話したことがありました。顧問は書き込まれた内容には身に覚えがないのに、「自分の担当教科や赴任した時期など、一部の情報は合っているのが怖い」と言っていました。

公式SNSで正しい情報を得て

最初に書き込みをした人は純粋な疑問や正義感からだったのかもしれません。でも、もしその情報が誤りだったら? 情報が残り続けるインターネットに書き込むことの重大さを考えてみてください。

気軽に見られる口コミは、内容が誤りである場合もあるのです。現在、高校や大学では、部活や学校の公式SNSがある学校が増えてきています。疑問や質問がある場合は公式のアカウントを利用して、正しい情報を得てほしいです。