進学に必要なお金をもらったり借りたりできる「奨学金」。「制度が難しすぎる」「自分が使えるかどうかも分からない」という声が編集部に寄せられた。奨学金に詳しいファイナンシャルプランナーの久慈拓也さんに、奨学金の基礎知識をわかりやすく解説してもらった。(野口涼)
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半分以上の学生が利用
―そもそも、奨学金はどういうお金ですか?
奨学金とは、文字通り学生に「学ぶことを奨(すす)める」お金のこと。「もらえるもの」と「借りるもの」があり、授業料や在学中の生活費などにあてられます。
―「教育ローン」との違いは?
教育ローンは保護者が借り返済をしますが、奨学金は「学生本人」が対象です。一般的には奨学金を借りる場合は卒業後、保護者でなく「学生自身」が返していきます。
―何割くらいの人が奨学金を使っていますか?
奨学金事業を運営している日本学生支援機構が2022年に行った調査によると、昼間部に通う大学生の55%がなんらかの奨学金を利用していました。
約4千団体が奨学金を設置
―どこからもらったり借りたりできますか?
日本学生支援機構をはじめ、地方自治体、企業などの民間団体、大学など、現在約4千の団体が9千の奨学金制度を設置しています。
団体によって「もらうタイプ(給付型)」と「借りるタイプ(貸与型)」の両方の奨学金があったり、どちらかしかなかったりします。日本では圧倒的に借りるタイプを利用している人が多いです。
―どんな人がもらえたり、借りられたりしますか?
一概にはいえませんが、国や自治体などの奨学金は「経済的に困っている学生」、大学が独自に行っている奨学金は「優秀な学生」を対象にする場合が多いようです。
―どちらにも当てはまらないと、もらえないのでしょうか?
収入や学力の基準は、高いものから低いものまでさまざまです。「自分はもらえない」と決めつけず、まずは先生に聞いたりネットで調べたりしてください。
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久慈拓也さん
くじ・たくや ファイナンシャル・プランナー。全国各地で奨学金に関する相談会や講演を行う「まなびシード」所属