高校生にとって入試は身近なものだけれど、「世界の高校生」はどんな試験を受けているんだろう? 世界の大学入試をテーマにしたNHK・Eテレの番組「ニュー試」の収録現場に高校生記者たちが訪問。ディレクターを務める福田元輝さんに、番組の魅力を聞いた。(取材・高校生記者=杉山美唯、東華乃子、柴﨑七海、有田嵩、山田悠樹、文・杉山美唯)

世界の大学入試に挑戦

―「ニュー試」とはどんな番組でしょうか。

世界の大学入試にスポットを当てて、ゲストが実際に番組内で挑戦します。日本人留学生や海外大学の採点官、専門家が登場し解説してくれます。入試だけでなく、その大学でどんな教育が行われているのか、学生がどんな生活を送っているのかも紹介。入試を通して世界各国の教育や歴史、文化も学べます。

NHKのスタジオで高校生記者からの質問に答える福田ディレクター(中央)

―番組の面白さ、工夫している部分、注目ポイントを教えてください。

「海外の大学入試」って、みなさんあまり知らないと思います。ディレクターである僕自身、全く知らなかったし、知ろうとも思わなかったです(笑)。でも番組を作る過程で海外の入試について知ってみると、結構面白いんですよ! 変わった入試も多いです。

進路の選択肢が広がる

―海外ではどんな入試問題が出るのでしょう。

「あなたは、頭が良いと思いますか?」。一見入試に見えないですが、超難関大学として知られるイギリスのケンブリッジ大学法学部の面接試験の問題なんです。「タイムトラベルしてあなたが見たい歴史的瞬間や出来事は何ですか?」。これは、アメリカ・スタンフォード大学の問題です。

「ニュー試」を収録したNHK内のスタジオ

―日本の入試とは一味違いますね……!

 日本の入試と海外の入試の「どっちが良いか」という二元論ではありません。もし僕が高校時代、進路選択する前に海外の入試を知ることができていたとしたら、今とは違った進路を選んだかもしれないと思います。高校生のみなさんにとって、ニュー試は「進路の選択肢が広がる番組」になっていますよ!

取材した高校生記者とNHKでニュー試を担当するみなさん

―番組のターゲット層は?

みなさんのようなティーン世代、40代の親世代をメインターゲットに据えています。Eテレの視聴者のかたは、教養を欲している人が多い印象です。情報をかみ砕きすぎるとただのクイズ番組っぽくなってしまい、本望ではありません。あえてかみ砕かないようにして、しっかり問題を解かせる番組という哲学を踏み外さないように、番組作りをしています!

世界の大学入試を知ろう「NHK・Eテレ『ニュー試』」 

「歴史上のある瞬間に立ち会うなら?」50字で答えよ。これはアメリカ・イェール大学の入試問題だ。番組では、日本とは一味違う「世界の大学入試」にゲストが挑戦。学生のキャンパスライフも紹介する。世界の高校生はどんな入試に挑んでいるのかチェックしよう。

司会は古舘伊知郎さん。ゲストが世界の入試に実際に挑戦してどんな感想を持つのかもみどころ(NHK提供)

■放送予定

  • 4月13日(土)アメリカ・シカゴ大学
  • 4月20日(土)アメリカ・マサチューセッツ工科大学(MIT)前編
  • 4月27日(土)アメリカ・マサチューセッツ工科大学(MIT)後編
  • 夜9:30(NHK・Eテレ)、放送後1週間「NHKプラス」で配信あり。https://nhk.jp/newshi