私は1年間の予定でチェコに交換留学しています。現地で気づいた日本とヨーロッパでの英語教育の違いから、日本の教育では英会話ができない理由について考えたことを話します。(高校生記者・りりぼう=高校1年)
同級生はほぼ英語を話せる
私も含め「英語を話せるようになりたい」と思う日本人は多いと思います。ですが、外国人と気後れせず英語でコミュニケーションを取れる人は少ないです。
一方、私が通う学校では、高校1年生の同級生ほぼ全員が英語でコミュニケーションを取れます。チェコの公用語はチェコ語で、英語は母国語ではありません。
チェコでは「母国語+英語+α」を習得するのが普通です。チェコ人の友達に「日本では英語しかやらないよ」と話したところ、「それで仕事があるのが驚きだ」と言われました。
圧倒的なスピーキング量
日本の高校の授業との大きな違いは、英語の授業中のスピーキングの量の多さです。授業が始まって最初に行うのは先生との会話です。チェコの学校は生徒の数が少なく、先生との会話がしやすいです。
週末の話や授業で扱う題材の話などを英語でします。多い時には授業の半分以上が先生との会話になります。新しい文法やボキャブラリーは、会話の中で学びます。
一方、私が日本で通っていた高校の授業では、スピーキングの量が少ないです。先生はテキストに沿い、文法を重点的に説明します。外国人の先生による会話中心の授業もありますが、多くの場合文法の授業とは別で時間割が組まれます。文法と会話を別々に扱っているため、私は会話と文法がつながりませんでした。
文法重視の日本と会話重視の海外
私が日本で学んできた文法に重きを置いた英語教育は、大学進学後に論文や研究を英語で行うために重要だと思います。大学進学後を想定し、日本の英語教育では文法を重要視していると感じます。
しかし、海外ではまず「話せるようになること」が重要で、文法は会話の中で学んでいきます。より細かい文法を学びたい人は学力の高い学校に通います。
日本の教育を受けていれば英会話のすばらしい土台が作られるのは確かです。ただ、「使う英語」という点では遠回りなのではないでしょうか。遠回りしている最中で多くの人が英語から離れてしまうため、英会話ができないのだと考えています。