チーズロマンス 黒田基君 岡田真輝志君 (大阪・同志社香里高校)

日本一面白い高校生を決めるコンテスト「ハイスクールマンザイ 2012~ H-1 甲子園~」の決勝大会が9月17日に大阪・なんばグランド花月で行われ、近畿地区代表「チーズロマンス」(大阪・同志社香里高校)が全国827組の頂点に立った。(文・写真 白井邦彦)

優勝コンビが発表された瞬間、会場を埋め尽くした観客から「キャー」「ウォォォ」という叫び声がはじけた。同時に、優勝したチーズロマンスの2人は目頭を熱くさせ、涙を止められなかった。

決勝大会に出場したのは6組。優勝候補の筆頭に挙げられていたのは昨年準優勝の「バンジージャンプ」(九州・沖縄地区代表)だった。堂々とした掛け合い漫才で会場を爆笑の渦に巻き込んだ。プレッシャーがかかる中、最後に舞台へ上がったのが「チーズロマンス」だ。

ボケ担当の岡田真輝志君(3年)が〝 ええ声〟でボケ倒し、ツッコミ担当の黒田基君(3年)がキレのある動きでツッコミまくるスタイル。「戦隊ヒーローに憧れる高校生」を扱ったネタを披露し、次々と笑いをとった。

 

昨年7月の結成以降、「放課後はほぼ毎日、相方の家などでネタ合わせをしてきた」(黒田君)だけに、2人の息はぴったり。「舞台へ上がった瞬間に緊張が消え、途中からは楽しくなっていた」(岡田君)という会心の3分間だった。

優勝後の記者会見で、黒田君は「16本ほどある持ちネタの中で、勝つと決めたネタで勝負したから『まさか自分たちが……』とは思わなかった」と、お笑いの本場である大阪の代表としてのプライドをのぞかせた。

審査委員長のオール巨人さんはチーズロマンスに「一番笑いも多かったし、テンポも良かった」と賛辞を送った。 ただし、岡田君は父親に芸人になることを反対されている。「大学進学を考えているけれど……」と複雑な心境を語りながらも「もう、今は全部忘れて、どっかで叫びたい!(笑)」とおどけてみせた。酸いも甘いも、全てを笑いに変える……そんな芸人魂をすでに持ち合わせている。