今年の夏休み、3週間マルタに留学しました。留学は英語がペラペラにしゃべれる人がするものだと思っていましたが、実際に留学してみてそうではないと気づきました。(高校生記者・一宮鈴愛=1年)
「海外留学に行きたい」親を説得
私は高校の3年間、留学したいと思っていました。両親に話すと、「費用や私の英語力の面で厳しい」と言われました。当時、英検2級を取得していましたが、頭の中で英語から日本語に変換するとタイムラグが起きてしまう状態。両親からは、「留学先で授業を受けても内容を理解できないのではないか」と思われていました。
しかし、どうしても留学したい私は「夏休みだけでも行かせてほしい」とお願いして、なんとか許可をもらいました。留学エージェントと相談し、「アクティビティも学校の教育内容も充実している」「日本人が比較的少ない」「他の国に比べて費用が安い」という3つのポイントで、南ヨーロッパにある島国・マルタ共和国に3週間留学することが決まりました。
中学生レベルの英語で乗り切った
滞在先は語学学校指定のホテル。ルームメイトは私を含めて4人で、全員国籍が違いましたがすぐに仲良くなれました。
学校初日、私のクラスにはイタリア人がたくさんいましたが、日本人は私1人です。クラスだけでなく学校全体でも1人。つまり、分からないことがあって助けを求める時ですら英語なのです。
これだけ聞くと高い英語力が求められるように思われますが、実際はそうでもないです。基本的に使う文法は、最も基礎的な「現在・過去動詞」「when~」「have to~」「after~」など。語句だと「may be」「want」「think」などです。中学生レベルの文法力があれば日常生活では困りません。両親が懸念していた授業は、分からない単語もそれなりに出てきましたが、友達に教えてもらったり、電子辞書で調べたりして、なんとなく理解できました。
友達との会話で誤解が生まれ
しかし、友達との会話だとそう簡単にいきません。中学英語ができるといっても、会話の中にどうしても知らない単語が出てきます。語彙力が大きな壁となってくるのです。
例えば「たぶん」という意味の「probably」。同じく「たぶん」という意味の「maybe」と使い分けができますか? 日本語に訳したら同じ意味でも、使うとなるとニュアンスの違いがあります。
他にも、他国の人は未来のことを現在形で言うなど時制を気にせずに英語を話すので、勘違いや誤解が生まれることもありました。でも、それは留学したからこそわかるものだと思います。留学しようか悩んでいる人は、一度トライしてみてはいかがでしょうか。