私は走るのが遅く、中学のときから走る競技に出たことがありません。その代わりに出場していたのは、男女がペアになりゴールを目指すものでした。その競技に出場するたびに私は頭を悩ませています。(高校生記者・ゆりひま=1年)

足が遅いと男女ペア競技に出場

私は中高一貫校に通っており、中学と高校の体育祭が合同で行われます。出場競技は足が速いと100m走やリレー、足が遅いと男女ペアで巨大なパンツ「デカパン」に入り肩を組んで走る種目に出場するという決め方です。デカパン競争はみんな出たがりません。

デカパン競争のイメージ。巨大パンツの片足に1人ずつ入り、密着して走る

勝利のための「適材適所」という意味では正しい決め方ですが、足が遅い人たちにとっては気持ちがよくないものです。

異性と身体が触れ合うのが苦痛

異性と一緒にデカパンに入るのは、恥ずかしいです。同性だったら普段から話すので抵抗はないのですが、異性がすぐ隣にいる状況は私にとって精神的苦痛です。身体が触れ合うことにも抵抗感があります。

友人に競技のペアになった異性の名前を伝えると、おもしろがるようなニュアンスで「○○君なんだ、頑張ってね(笑)」と言われたことがあります。

体育祭で友達と一緒に楽しく青春したい

毎年ゆううつで号泣

足が遅い私は、体育祭にデカパン競争でしか参加したことがなく、今年もそれで出場します。毎年ゆううつで、体育祭前は家で号泣。友人に「何の競技に出場するのか」と聞かれて答えると、笑われてしまいました。本当に一度でいいから、違う競技に出てみたいです。

拒否もしにくい雰囲気なんです。出場者決めの時間は各々自分が出たい競技に決めたくてピリピリしていますし、デカパン競争はみんな嫌がる競技なので、私が拒否するのも迷惑になると思ってしまいます。

体育祭の日に晴れ渡る空。素直に喜べない

男女ペア競技、本当に必要?

中高生は男女を強く意識する年頃であり、友人で男女競技に出たいと言っている人は見たことがありません。そしてジェンダーレス社会が提唱されているのに、男女という区切りがはっきりする競技は時代に合っていないと思います。

その競技で観客は盛り上がるのかもしれないけれど、出場する人にとってはつらいものなんです。そのような競技をなくし、多くの人が楽しめる競技で、学校生活の思い出になる体育祭になってほしいです。