悩み 勉強する気になれない時は?

勉強をやらなきゃいけなくても、なかなか机に向かう気になれません。机に向かっても、勉強以外のことをしてしまいます。(高校3年女子)

回答 「心理」「空間」「手順」「時間」のどれかが問題(プロ家庭教師 吉永賢一)

多くの人が、似た問題を抱えているみたいだよね。大抵、4つの問題があるから、それぞれを検討してみてほしい。

1つ目は、心理的なもの。「勉強をやらなきゃいけない」という理由が、「やらなきゃいけないと言われたから」にとどまっている場合が多い。「どうして、勉強をやらなきゃいけないと思うのか」「勉強の何がイヤか」「そのほか、勉強に関する感情」を実際にリストにして書き出してみると、自分で自分の心が見えやすくなるよ。

2つ目は、空間的なもの。勉強に使うスペースをきちんと確保しておく。机の上が散らかっていても、取りあえず箱に入れて片付けたり、机の隅に積み上げたりしてスペースを作る。暖房器具、冷房器具や服を工夫して、暑過ぎず、寒過ぎないようにする。筆記具や、教科書、参考書、問題集などをそろえておく。あるいは、すぐに出せるようにしておく。

3つ目は、勉強の手順。今度机に向かったら、何をするかを決めておく。これは、具体的なほどいい。どの教材を使うのか。それを、どう使うのか。これが決まっていないと、勉強を始めるときに、まずそれを考えなくちゃいけなくなるから、ストレスになる。

4つ目は、時間の使い方。いきなりたくさん勉強しようとしない。はじめのうちは、2分でも、5分でもいいんだ。あとは、娯楽をその時間の後ろに持っていって、勉強をした自分へのご褒美として使うようにしてみよう。「遊ぶ前に、まず勉強」の順序だね。

 
 

よしなが・けんいち 1971年生まれ。東京大学医学部家庭教師研究会代表。群馬県立前橋高等学校卒業、東京大学理科Ⅲ類(医学部)に入学。著書に『東大家庭教師が教える 頭が良くなる勉強法』『東大家庭教師の子供の頭が良くなる教え方』ほか。