東京の私立大学人間社会学部で学ぶツムギさん。実は高3の夏まで志望校が決まらなかったそう。どのように志望校を決定し受験対策をしたのでしょうか。総合型選抜(AO入試)で合格した体験談を紹介します。

将来の目標に近づける学部を探した

―どうやって志望学部を決めましたか?

私は「音楽雑誌の編集者」という明確な目標があります。目標に向けて足りないものを補うには何を学ぶべきかを考え、学部の系統を決めました。

志望校が決まらず焦ったことも

―志望校が決まらず悩んだとうかがいました。

はい。「ここだ!」と思える大学に巡り会えず、志望校が高3の夏まで決まらなくて焦りました。3年の夏、志望校が2校になりました。しかし1校に絞れず、2校とも受験できる日程を組んで総合型選抜に挑みました。

オープンキャンパスで第一志望校に出会った

―第一志望を2校見つけたのですね。志望大学の絞り込み方法は?

志望校を決めるにはたくさんオープンキャンパスに行き、大学の雰囲気を見ることが一番。大学の先生や先輩と会話することが大事です。自分の志望度がオープンキャンパスで変わることはよくあります。ネットで調べたときは「ここが一番いい!」と思っても、実際に行くと「カリキュラムはすてきなのになぜか全く魅力を感じない……」ということが何回もありました。

オープンキャンパスで大学の雰囲気を知ろう(写真はイメージ)

―第一志望大学のうちの1校に合格し、現在通っていますね。この大学が第一志望だとどう決めたのですか?

実は、今通っている大学には、実はオープンキャンパスに行くまで、カリキュラム以外にはあまり魅力を感じていませんでした。しかし、学生と話し「先輩たちの目が輝いてる!」と心を奪われ、第一志望になりました。今は私自身が目を輝かせて大学に通っています。

あいまいな表現でしか表せない、第一志望との出会いってあると思います。カリキュラムや偏差値も選択方法の一つですが、実際に大学に行かなければ分からない自分との「マッチ度」を大切にして学校選びをしてほしいです。

徹底した自己分析が合格につながった

―2校、総合型選抜を受けたとのこと、それぞれ準備が大変そうです。

2校を比較して悩んだ時間があったからこそ、双方の魅力や特徴を誰よりも理解していました。その熱意を大学側にもくみ取ってもらえたと思います。

先に合格した大学に進学を決め、もう1校は1次試験に合格したものの辞退しました。この形が自分にとって最善でした。非常に良い選択だったと思います。

―受験に特化した勉強は、いつからどのように行いましたか?

総合型選抜は、1次試験の書類提出が非常に多いです。志望校が決まった3年の夏から本格的に取り組み始めました。オープンキャンパスで学生や先生と話して、大学が求める学生のイメージをつかみ、書類を作りました。

―書類づくりの進め方は?

書き始める前にそれまでの人生と今後のビジョンを整理し、自己分析を徹底的に行いました。クオリティーの低い段階で先生や友人からアドバイスをもらいました。すると「頭の中で整理できているつもりが説明できない」となることが多くあります。それを一つずつ解決していくことで、大学の先生、つまり自分のことを全く知らない人が読んでも理解できる文章ができます。

「説明できない」を解決して書類作成

―面接対策は?

面接対策は書類提出の時点で自己分析に力を入れたので、1カ月ほどの対策で問題ありませんでした。面接練習は自分をよく知る先生以外に、関わりのない先生にもお願いしました。本番に似た緊張感のある練習ができて効果的です。

目は大事にね

―受験勉強で後悔していることはありますか?

対策等でタブレットを使う時間が非常に長く、受験後視力が落ちました……。目は労わることをおすすめします。

―受験で役立ったおすすめの参考書、問題集があれば教えてください。

『小論文の完全ネタ本改訂版 社会科学系編』(‎文英堂)です。さまざまな社会問題を詳しく説明しています。社会問題ごとに「背景、メリット、デメリット、解決策」をノートにまとめると、寝る前などに復習しやすいです。

「覚える」のではなく「理解する」ことで、小論文本番に扱ったことのない題材が出ても、知識を組み立て対応できます。