日本人の10人に1人は「左利き」と言われています。少数派の左利きである私は、しばしば不便だと感じることがあります。右利きの人たちに伝えたい、日常生活のモヤモヤを伝えます。(高校生記者・コミリコ=2年)
「左手での書道」を禁止され
私は左利きです。左手で箸を持ち、左手で鉛筆を持ちます。書道は小学校のころに先生から左手で書くことを禁止され右手で書いています。
他にも、卓球は右手、テニスは左手など、自分が「やりやすいな」と思う手を種目ごとに見つけ、使う手を変えています。
右利きの人と手がぶつかる
左利きで不便に思うことがあります。例えば、右利きの人と授業中に机をくっつけて字を書くときは、私が右に座っていると手がぶつかり合います。「申し訳ないな」と思っていて、ぶつからないようにいつも意識していています。
シャーペンで手が汚れる
シャーペンで横書きで字を書くときに手が汚れます。多くの左利きの人がこの問題に悩まされていると思います。特に数学や理科などノートを書くとき、左手で書くとシャーペンの黒が手についてしまい紙も汚くなります。
私は特に手汗にも悩まされているため、左手で文字を書くときに手汗によって紙がペラペラになりうまく文字を書くことすらできません。そのためにいつも下敷きを紙の上に置き汚れないようにしていますが、試験などでは使用できないため、計算用に配られる用紙などを下敷き代わりにしたり、紙を折ってその上に手を置くなど工夫をしています。
駅の改札や文房具も「右利き用」
駅の改札では、交通系ICカードをタッチするところや切符を入れるところが右側に設置されています。給食の配膳に使うお玉も全て右利き用です。
ハサミは今や左利き用のものも売られるようになりましたが、カッターなどの左利き用はあまり見かけません。美術の授業などで使用するときも不便を感じています。
「左利き」ひとつをとっても、日常生活にはさまざまな不便が潜んでいます。そこから、左利きのみならずマイノリティー側に立つ人々は、多数派が感じない不便を強いられているのだろうと想像します。少数派に寄り添える社会になることを祈っています。