「頑張ることでしか日本一になれない」と、前向きに練習に取り組む

今年の全日本バレーボール高校選手権(春高バレー)女子で3位に入るなど、近年、急成長を遂げている柏井(千葉)が、強豪ぞろいの千葉県予選を制し、インターハイ出場を決めた。「全員でうまくなるバレー」を掲げ、最大限の努力で築いた実力を発揮し、今夏、大阪で初の全国制覇を目指す。(文・田中夕子、写真・幡原裕治)

■抜群のチームワーク

プロ顔負けの環境がそろう私立勢と比べ、柏井は日々の練習時間が限られ、体育館をほかの部と4分割で使用するなど環境は決して恵まれてはいない。だが、その環境でこそ磨かれる「ハングリー精神」を力に、国安鉄太郎監督が掲げる「全員でうまくなるバレー」を実践すべく、ボール練習と並行して体幹トレーニングを重ねてきた。

チームの中心はキャプテンの中元南(3年)と、高い打点からのスパイクを武器にする工藤嶺(3年)の両エース。しかし工藤は、県予選前にけがをして万全のコンディションではなかった。それでも「日々の練習から、レギュラーもリザーブも全員で助け合うのがチームの強さ」という中元の言葉通り、県予選では抜群のチームワークと、狙いを的確に絞ったサーブで他校を圧倒。上位チームによるリーグ戦を制し、全国切符を手にした。

■よりレベルアップを

インターハイに向け、自主練などを通じてチームはより一層のレベルアップを目指す。そんな中、誰よりも強い思いを抱くのが工藤だ。「(けがを)完治させ、100パーセントの力で臨みたい」と自身に喝を入れるだけでなく、副主将として、チームが目指す「全国制覇」に熱い思いをにじませる。「周囲から『今年のチームは全国制覇を狙える』と言っていただいているので、その期待に応えたい」。目指すは初の日本一だ。

【TEAM DATA】
1981 年創部。部員46 人(3年生15人、2年生15 人、1年生16 人)。インターハイ出場は今年で14 回目。春高バレー出場14 回。地元選手ばかりのチームを国安監督の手腕で鍛え上げ、2012 年度の春高バレーで3位と躍進。14 年度の同大会でも3位に入るなど、高校女子バレー界の「公立の星」として目覚ましい活躍を遂げている。