ぐるぐると渦を巻く特徴的な模様。人気漫画「ONE PIECE」に登場する「悪魔の実」をメロンで再現した農業高校生のツイートには、3.5万のリツイートと23.6万のいいねが付いた。一体どのように作ったのか、制作者のエトオさん(3年)に話を聞いた。

5時間かけてメロンに模様描く

エトオさんは農業高校の3年生で、課題研究でメロンの網目にイラストや模様を施す「デザインメロン」を研究することになった。2022年に公開した映画「ONE PIECE FILM RED」をすでに7回も鑑賞するほど「ONE PIECE」ファンのエトオさんは、せっかくなら「悪魔の実」をデザインしようと考え、学校にあるハウス1棟を使って栽培を始めた。

収穫の1カ月と少し前、メロンに模様を描く

メロンの模様を作る際に必要になるのは、アイスピックや彫刻刀。収穫の1カ月と少し前に傷をつけると、つけた傷が成長とともに網目となって浮かび上がってくる。エトオさんは「ONE PIECE」の主人公・ルフィが食べた「ゴムゴムの実」の模様を、5時間かけて描いた。

「一発勝負で描き込むので大変でした。メロン栽培もONE PIECEも好きなので苦ではありませんでしたが、集中して頑張りました」

Twitterで23万以上の「いいね」

Twitterに「ゴムゴムの実」風メロンの写真をアップすると、3.5万のリツイートと23.6万のいいねがつくという大反響。写真を見たTwitterユーザーからは「メロンがこんな風になるなんて凄すぎます」「すごいクオリティー」などと絶賛の声が集まった。さらに「ONE PIECE」のファンからは、実際の「悪魔の実」は「まずい」「食べた者は泳げなくなる」といった設定があることになぞらえて、「このゴムゴムの実は美味しそう」「泳げますか?」などとユーモアあふれるコメントが寄せられていた。

卒業後は農業系大学へ

大きな反響を得た「ゴムゴムの実」風メロンを作ったエトオさんは、「ただ座学をやるより実業高校の方が楽しそう」という理由で農業高校への進学を決め、入学後に農業の面白さにハマっていった。

「単純に作ることが楽しいというのもありますが、よく知られている野菜にひと手間加えたり、改良したりして独自性が生まれるのが魅力的です」

エトオさんが作った「ゴムゴムの実」風メロン

卒業後は農業系大学への進学が決まっている。次に栽培するとしたらどんなメロンを作りたいか尋ねると、「『ゴムゴムの実』風メロンの後に挑戦した『メラメラの実』風メロン、『モクモクの実』風メロンは異常気象の影響で失敗してしまったので、環境を整えた中で再挑戦してみたい」と語った。