自慢の商品を販売する生徒たち

栃木・栃木農業高校の小原絵恋さん(3年)は、祖父の住む栃木県塩谷町の活性化を目指す会社を立ち上げた。有志7人の生徒が彼女の活動をサポートしている。(中田宗孝)

商品販売で地域を応援

小原さんは合同会社「とちのうマリアージュ」を昨年11月に設立した。これまでに県内のイベントで、塩谷町が誇るコシヒカリと尚仁沢(しょうじんざわ)湧水をセットにしたオリジナル商品「しおやのなみだ」(税込み500円)を販売。この水で炊いた米を使用した塩、鮭、昆布のおにぎりも販売し、400個を完売させた。

イベントで名刺交換する生徒たち
 

生徒デザインのトートバックつき

「しおやのなみだ」の購入者には、松沼有晃君(3年)がデザインしたトートバッグが付く。中にはお米のおいしい炊き方の説明書も添えた。「メンバーが集まってのランチミーティングで、商品に付加価値をもたらすアイデアが提案されることがよくありました」(小原さん)

活動を知ってもらうため、町内で開催されたスポーツイベントの参加者に名刺を配り歩いたことがあった。名刺交換の縁で、塩谷町町長との面会や、「しおやのなみだ」販促グッズの制作に協力したコンサルティング会社の社長に出会ったという。「私たちの会社の起業理念『人とモノとコトを繋ぐ』が形になり嬉しかった」(小原さん)。

放射性廃棄物最終処分場の建設問題がある町「自然保護呼びかけたい」

地域活性化の活動は、学校の農業学習がきっかけで始めた。会社設立には、放射性廃棄物最終処分場の建設問題に揺れる町の自然保護を呼び掛ける思いも込められている。「塩谷町の田んぼのあぜ道を散歩しながら見える風景が好き。自然豊かなこの場所を守りたい」(小原さん)

2月には東京にある栃木県のアンテナショップで商品をPRする。

商品を手に持つ会社代表の小原絵恋さん(学校提供)