カメラを構える姿がかっこいい写真部。どのような活動をしているのか、知らない人もいるかもしれません。強豪として知られる皇學館高校(三重)写真部の皆さんに、写真部で身につく力や積める経験など、「10の魅力」を挙げてもらいました。

1、光に対して敏感になる

被写体に光が当たる角度や向きで、作品の仕上がりが変わります。撮影時に光の方向を意識することで、自分が表現したいと思うイメージをより印象的にできます。撮影を重ねると、徐々に光に敏感になります。

夏の夕方に草木に水やりをしていて、半逆光で小さな虹がはっきり見えたので撮影した。光の方向をよく見て撮った作品

2、観察力が身につく

写真撮影を意識すると、「自分の周りの物をじっくり観察する習慣」が身についてきます。しっかり見ることによって、今まで見えなかったものが見えてくることがあります。題材によっては新たな発見をする場合もあります。

 自宅近くで2匹のネコが日なたぼっこをしているところ。身近なところでもさまざまな写真の題材が発見できる

3、写真撮影の技術が向上する

最初はよくわからないことでも、写真を撮っているうちにシャッター速度や絞り値のような基本的なことが少しずつわかってきます。「次はこんな風に撮ろう」とか、「こういう写真を撮るにはどうしたらいいのか」というように、疑問が湧いてきて、それを解決していく中で自分の写真を工夫して撮ってみたくなります。

最初はすべてカメラまかせの全自動モードまたはオートモードでどんどん撮影。そのうちにカメラのシャッター速度(手前の丸いダイヤルの数字)や絞り値(レンズの周りの16、11等の数字)を変えて撮ってみたいと思うようになればレベルがアップ

4、集中力が身につく

写真を撮るときに角度や構図を決め、ピントを合わせ、手ぶれのないようにシャッターを切るという一連の過程には、集中力が必要です。何枚も撮っていると次第に撮影の時の集中力が身についてきます。

手ぶれのないピントの合った写真を撮るには集中力が必要

5、コミュニケーション力UP

人物写真を撮るには顔見知りの人はもちろん、初対面の人にも話しかけることが必要です。話をしてから(しながら)写真を撮るので、自然に人とのコミュニケーション力やあいさつなどの礼儀が身につきます。

出会った人に写真を撮らせてもらうにはきちんとあいさつし、少しコミュニケーションをとってから撮影。この写真は民宿のご主人と奥さま。しっかり会話してから撮った

6、他の部員の写真を見てスキルアップ

他の部員の写真を見て、撮影の仕方や構図など自分の写真と比較していろいろなことを参考にでき、その後の撮影に生かすことができます。このことが自分の撮影のスキルをアップしていくのに大いに役に立ちます。

他の部員の作品を見ると刺激を受け、自分ももっと撮るぞという気持ちになる

7、手軽に始めることができる

フィルム、デジタルを問わず、自分のカメラを使って誰でも手軽に写真が撮れて、身近なところで写真を楽しめます。スマホを使って写真を撮る人も多いので、気軽に始めることができます。

今はいろんな撮影の機材を使って撮影できる。今持っている手持ちのカメラで十分

8、部員同士でいろいろな所へ撮影会

一人で撮影するのもいいのですが、時には仲の良い写真部員と一緒に、撮影会をするため好きな場所に行くのもいいと思います。そこで好きなように撮ったり、撮影した写真を互いに見せ合ったりして楽しい時が過ごせます。

冬の夜、友だちの写真部員と一緒に、前から決めていた場所に出かけて撮影

9、白黒写真で写真の奥深さと面白さを再発見

もちろんカラー写真も面白いのですが、一度白黒写真を撮ってみてください。フィルムは今でも市販されていますが、値段が高いのでデジカメのモノクロモードでもいいと思います。色がない分、逆に光の扱いや構図など写真の基本を学ぶことができ、白黒写真を撮れば撮るほどその奥深さと楽しさが実感できると思います。

自宅の近くで見つけた一場面。壁に絡まる様子をモノクロモードで撮影

10、友人が増え、他校と交流する機会も

写真を通して、友だちが多くなります。各県の写真連盟主催の撮影講習会などに参加すれば、他の学校の高校生と知り合う機会ができ、そこで仲良くなった人と写真のことを話したりすれば、さらに交流が深まります。

夏の撮影講習会での記念撮影

 

部活データ

部員数76人(1年生30人、2年生28人、3年生18人。21年度現在)。ほぼ毎日活動(土日含む)。部活動の受賞歴…全国高校総合文化祭文化庁長官賞、同奨励賞、近畿高校総合文化祭優秀賞、日本カメラ月例フォトコンテスト学生の部入選3回、CAPA月例フォトコンテスト学生の部1席2回、入選3回。