英国の教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」(THE)は3月24日、日本の国公私立大学のうち273校の「教育力」を独自の基準で測って順位づけする「THE世界大学ランキング日本版2022」を公表した。1位は、3年連続で東北大だった。

THE世界大学ランキング2022年版の総合順位一覧

教育充実度など4分野を点数化

世界大学ランキングで知られるTHEは2017年から日本版を始め、今回が6回目。世界版が「研究力」を重視しているのに対し、日本版は「教育力」を測ろうとしている。学生1人あたりの教員比率や教員の資金獲得数などの「教育リソース」、授業など教育活動について学生や高校教員にアンケートした「教育充実度」、企業人事などにアンケートした「教育成果」、外国人教員や外国人学生の比率などの「国際性」の4分野を点数化し、総合点で順位付けしている。

2位は東京大、3位に大阪大と東工大

東北大の総合点は85.6。昨年(84.5)より上昇した。教育リソースが6位、教育充実度が4位、教育成果が3位などバランスよく点数を獲得した。

東京大(81.7)は昨年の3位から順位を上げて2位。教育リソースが1位だったが、他3分野で東北大を下回った。

3位は大阪大と東京工業大(共に81.6)だった。大阪大は、2020年が8位、昨年が5位と徐々に順位を上げている。国際性の点数が2020年の68.1から82.7に大幅に増えている。

京都大(80.7)は5位で、2019年の1位から3年連続で順位を落とした。教育リソースの点数が2019年の84.4から今年は76.8まで低下したのが目立つ

私立大は、慶應・ICU・早稲田など上位

昨年と同様、10位までを国立大学が占めた。20位以内に入った私立大学は、慶應義塾大(11位)、国際基督教大(12位)、早稲田大(13位)、上智大(20位)で、昨年と同じ顔触れだった。慶應大と早稲田大は教育成果の順位がそれぞれ10位、9位。国際基督教大は教育充実度と国際性が2位と高かった。

公立大は国際教養大と会津大が上位

公立大では、国際教養大(17位)と会津大(18位)が20位以内に入った。国際教養大は教育充実度が1位で、国際性が6位。会津大は昨年の24位から順位を上げた。

THEのフィル・ベイティ氏は「3年連続でトップを維持した東北大は称賛されるべきだ」とコメントした。