皆さんは外資系の会社といえば、どんなイメージを思い浮かべますか? 外国の方ばかりの会社、英語が話せるなど、いろいろ思い浮かぶと思います。今回は外資系の会社の営業職の父に、仕事についてインタビューをしました。(高校生記者・すおの=3年)

客が求めるインテリアを実現

―どんな仕事をしているの?

お客さまから家具やインテリアの依頼を受けて、販売をする仕事だよ。インテリアについて提案し、家具などを発注、現地への設置まで請け負うよ。

―どこで、どんな職種の人たちと仕事しているの?

仕事場はほぼオフィスだけど、最近はコロナの影響でリモートワークも増えたね。設計事務所や商社、リフォーム会社などから依頼をもらって、仕事をしているよ。

―1日の流れを教えて。

基本は10時に仕事をスタート。お客さまのところに行って打ち合わせをし、事務所に戻って提案内容をまとめる。午後には別の会社との打ち合わせの準備。打ち合わせ後に、注文内容を確定して発注するんだ。

週1でお客さま向けのセミナーをオンラインで開催したりしているよ。これは新規顧客獲得のための活動なんだ。

客からのメールにはすぐ返信

―いつ、どうしてこの仕事を目指そうと思ったの?

目指した時期は30代後半からだよ。

元々は店舗で働く仕事をしていたけど、もっとこの会社の商品を知ってほしいという思いから(企業を相手に提案する)法人部に異動したんだ。そうしたら想像以上に自分の提案が受け入れられて、やりがいを感じるようになったよ。

─どうして外に出る仕事がいいと思ったの?

店舗で働く人はいっぱいいる。だけど会社のオンリーワンを目指すためには、外に活路を見い出したってところかな。外だったら無限に仕事を見つけることができるからね。

―この仕事をする上で必要なことって?

お客さま相手の仕事だから「人の話を聞くこと」だね。もう一つは「スピード感を持って対応をすること」。お客さまのメールはすぐに返しているよ。

最後に「きれいな靴を履くこと」だね。お客さまに会って最初のお辞儀や、名刺交換するときに足元がよく見えるんだ。だから高い靴を履いているわけではないけど、足元はきれいにしているよ。

足元はいつもきれいにしている

冬の外回りはつらい…

─仕事で使っている道具を教えて。

パソコン、お客さまとのヒアリングのノート、名刺。

現地で測量用のメジャー。この仕事を続けているうちに目視でもぴったり長さを測れるようになったんだけど、お客さまの信頼を得るためにメジャーを使っているよ。確かに実際に測った方が安心できると思うしね。

ドライバーセットは商品をその場で組み立てたり、直したりするときに使うからたくさんの種類を持ち歩いているよ。あとはリップクリーム、ハンドクリーム、爪切りも持ち歩いている。冬の外回りはつらいんだ……。

仕事用のスマホ、何でも書くためのノート、ペン、名刺、リップクリーム、ハンドクリーム、爪切り、メジャー、ドライバー、一番下にあるのはパソコン

─会社の雰囲気は?

ダイバーシティを重視している会社だから、多種多様な人材がたくさんいるんだ。また女性の管理職も多いよ。

お風呂場で営業トークの練習

―下積み時代の思い出はある?

人前で話すのが苦手だったから、とにかく商品の知識を身につけることで自分の自信にしたよ。お風呂場で営業トークの練習をしていたときもあったな……。それが今、仕事ですごく生きているんだ。

―この仕事のやりがいを感じるのはどんな時? 

やっぱり商品の設置が終わった後に、お客さまから喜びのコメントをもらえると、とてもやりがいを感じるよ。

―この仕事の厳しさ、大変なところは?

そのときの社会情勢にも左右されるところかな。例えば今はコロナ禍だから、ホテルとか人が集まる場所への依頼が少なくなっている。

提案型の営業はなくならない

―この仕事に向いているのはどんな人?

人に言われてから行動に移す「指示待ち人間」ではない人。

―この仕事の魅力は何だと思う?

いろんな人と出会って、いろいろな話を聞けることかな。

お客さまから別のお客さまを紹介してもらえることが多いから、人との縁を感じられるのも魅力の一つだと思う。

―この仕事は将来、どんな風に変わっていくと思う?

うーん…、変わらないよ。生身の人間を相手にするから、AIに取って変わられることもないと思う。提案型の営業は無くならないんじゃないかな。

―この仕事を目指す高校生が今やっておいたほうがよいことは?

外国のお客さまもいるから、英語でのコミュニケーションは必須かな。あとはお客さまの要望を聞いて、きちんと理解をする力を持っておくこと。

リモートワークで使用しているパソコン。コミュニケーションが大切

【取材後記】やりがいのある仕事に私も就きたい

こんなに真面目に父の仕事の内容は聞いたことがなかったので、新鮮でした。

父がリモートワークをしているときも話し声がよく聞こえます。この仕事では対話が大切だと感じました。「人との会話が苦手だ」と聞いたときには少し驚きましたが、それをカバーするために商品の知識を身に付けたのは苦手を克服するための手段だと知りました。

休みの日にインタビューしたのですが、仕事の話でも楽しそうで、今の仕事にやりがいを感じているらしく、私も人に聞かれたら楽しく話せる、やりがいのある仕事に就ければいいなと思いました。