私が通う学校の文化祭では、高3のクラス演劇が恒例です。今年のクラス演劇で、私は脚本・演技指導を務めました。コロナ対策の厳しい制限でやりきれない思いもしましたが、青春を感じた4カ月でした。(ガトーショコラ=3年)
クラス演劇で脚本&演技指導を任されて
シナリオの創作が得意だった私は、脚本に立候補しました。途中でオチが思い浮かばずスランプに陥ったものの、深夜にインスピレーションが降ってきました。
2週間後。なんとか脚本を書き終え、個人の仕事はほぼ終わったかと思いました……が、「元演劇部だから」という理由で演技指導も任されることになりました。私のクラスはいわゆる「受験ガチ勢」が多かったですが、負担が大きい役者はほぼ有志で決まりました。
稽古が始まる前は「役者もやる気ないだろうし、おっくうだなぁ」と思っていましたが、皆真剣に参加してくれたのは、予想外でうれしかったです。
突然のマスク着用ルール
「このメンバーとなら、最高の舞台を創れるかもしれない」
そう思ったのもつかの間、本番直前になって、学校側から役者の「不織布マスク着用」が課されました。私たちの演劇は、コロナを逆手にとった内容だったため、テーマが崩壊寸前。
自暴自棄になっていましたが、1人の生徒が「せっかくガトーショコラが面白いものを持ってきてくれたのに……」と泣いてくれ、「私の思いが誰かに伝わったんだ」と前向きになれました。
脚本を絶賛され自信に
ついに迎えた文化祭当日。シリアスな内容ということもあり、1日目は観客の空気が冷たく感じられました。「もし脚本のせいで『つまらない』と思われたらどうしよう」と足がすくみましたが、2日目の公演後に他クラスの生徒が脚本を絶賛してくれ、自信になりました。
クラス全員が舞台に立ったカーテンコール。ピンスポのまぶしさは青春の1ページに刻まれました。