私は父の仕事の都合で、これまでに6回引っ越しました。クラスの雰囲気の違いに驚いた経験を紹介します。(高校生記者・きんめだい=3年)

「家族」のような一体感

これまでに東京、神奈川、広島、愛知、栃木、新潟で暮らしてきました。地方、特に新潟の中学校に通っていた時は、クラスに強い一体感があり、先生を含めて全体がまるで一つの家族のようでした。

新潟に住んでいた時の景色。冬の青空がきれいだった

当たり前のように助け合い

日常生活では、課題が早く終わった人は終わっていない人に教えるなど、お互いに助け合っていました。生徒同士はもちろん、先生もクラスメートからあだ名などの愛称で呼ばれているなど、距離が近いのが印象的でした。

運動会や文化祭などの行事もレベルが高く、みんなが一丸となって準備に取り組んでいました。例えば、体育祭では大きなパネルに絵を描いたり、朝や昼休みも使って応援練習をしたりしていました。役割分担も明確で、クラスで優勝した時にはみんなで喜び合い、達成感を分かち合ったことを今でも鮮明に覚えています。

「話し合いしない空気」に戸惑い

都内の中学校に転校すると、いくつかのグループに分かれて固まっていて、クラスとしての統一感が無いように感じました。孤立している子も多かったです。

行事の準備も、リーダー格の生徒が中心になって進める場合が多く、何ごとも話し合いで決めていた地方の学校との違いに、最初は戸惑いました。クラスの人数は変わらなくても、都内の学校に転校したばかりのころは、少し寂しさを感じる時もありました。

違いに触れると視野が広がる

違いは、文化や生活スタイルの表れなのだと感じます。地方ではコミュニティーが比較的狭く、人とのつながりが密接なため、自然と協力し合う雰囲気が生まれやすいのだと思います。

一方で、都心には地方に比べて何倍もの人が暮らしており、個々の距離感がやや遠くなる心理的な壁があるのかもしれません。

栃木に住んでいた時に乗ったSL大樹

確かに転校は、学校によってルールが違うので環境に合わせるのに苦労するなど大変な面もありました。ですが、方言などの言葉遣いや学校のルール、地域特有の風習など、違いに触れる中で視野が広がり、将来に生かせる貴重な経験になったと実感しています。

きんめだい 東京都在住。バトミントン部、ボランティア部所属。生物が昔から好き。野菜作りに没頭中。好きなアーティストはtuki.。