突然の事故や病気で身近な人が「脳死」になってしまったら……。考えたくないことですが、誰もがなりうる可能性があることです。私はインターネットで受験できる移植医療の理解を深める「グリーンリボン検定」がきっかけで、家族と臓器移植や延命治療について話し合いました。検定の内容や、「いざという時に」どうするか話し合う大切さを伝えます。(高校生記者・ちこ=2年)

移植医療に理解を深められる検定

「グリーンリボン」は「移植医療」のシンボルです。グリーンリボン検定は、移植医療への理解を深めるためのもの。インターネットで簡単に受検できます。

知ったきっかけは、ツイッターのタイムラインに「グリーンリボン検定に合格した」というツイートが流れてきたことです。医療や福祉に興味があるので、知識を深めるためにも受けてみようと思って受検しました。

臓器提供意思表示カードとグリーンリボンピンバッジ

クイズ形式で簡単に理解を深められる

「臓器提供の意思表示は何歳まで?」「臓器提供の手術はどのくらいかかる?」など、「臓器提供意思表示について」「臓器移植法について」「日本の移植医療の現状について」幅広く出題されています。

「移植医療について知識がないから、受検しても合格できないのでは」と思う方でも大丈夫です。検定はクイズ形式で、「初級・中級・上級」にレベル分けされています。正解するまで何度も回答できます。

つまり、最後まで問題を解き切れば、誰でも合格することができるのです。

私は移植医療について知識があるほうだと思っていたのですが、分からない問題も多くありました。知らないことを知り、知っていたことを深める良い機会になりました。

家族と話し合うきっかけに

検定に合格すると、希望者は記念品として「合格証」と「グリーンリボンピンバッジ」を後日郵送でもらえます。さらに「臓器提供意思表示カード」「移植を受けた方・臓器を提供された方の遺族の手記」も入っていました。

記念品として送られてきたもの。合格証とピンバッジ、臓器提供意思表示カード、移植を受けた方・臓器を提供された方の遺族の手記

「臓器提供意思表示カード」は皆さんご存知の通り、臓器提供をするかしないか、意思を示すためのカードです。このカードには「臓器提供について周りの人と話し合う機会をつくるという役割もある」と私は思っています。意思表示が大切になるのは、誰もが「移植を受ける側」にも「臓器を提供する側」にもなり得るからです。

いざという時、意思表示をしていないと、家族は臓器提供するべきか悩むでしょう。反対に、家族のいざという時、あなた自身が悩むかもしれません。困らないためにも、意思表示と家族との話し合いが大切なのです。

誰もが可能性があることだよ

私は母と「臓器提供をするか否か」について話しました。二人とも「脳死後及び心臓が停止した死後のいずれでも」臓器を提供したいことを確認し合えました。

臓器提供と関連した話で、回復の見込みがなくなった時の「延命治療を望むか望まないか」と話もしました。「人工呼吸器を装着するかしないか」という観点で話し合い、母も私も「人工呼吸器は装着しなくていい」という考えであることが分かりました。

「意思表示なんてレベルが高い」「臓器提供について考えたり話し合うなんて難しそう」と思っている方、まずはグリーンリボン検定を受けて移植医療について知ってみませんか。