女子無差別で優勝した素根輝(右)=4回戦、中村博之撮影

■第39回全国高校柔道選手権・女子無差別(3月19日、東京・日本武道館) 素根輝(そね・あきら=福岡・南筑1年)が危なげない戦いぶりで初の高校日本一に駆け上がった。(小野哲史)

昨年の講道館杯やグランドスラム東京では78キロ超級で2位に食い込むなど、すでにシニアの大会でも実績十分。今大会では1年生ながら優勝候補の筆頭に挙げられていた。しかし、「緊張はしませんでした」と重圧を感じることもなく、むしろ「日本武道館で試合ができる」ことに大きな喜びを感じていた。

最後まで一本を取りに行く柔道を理想とし、「逃げる相手にでもしっかり勝てるように」厳しい練習を積んできたという。今大会は「相手を圧倒してオール一本で優勝する」ことを目標に据えていた。その言葉通り、初戦は合わせ技、3回戦と4回戦は袖釣り込み腰でいずれも一本勝ち。決勝でも、前回1年生で準優勝に輝いた和田梨乃子(愛知・大成2年)を、得意の大内刈りからの上四方固めに持ち込み、圧勝した。

「まだ高校でタイトルを取ったことがなかったので、優勝できてホッとしています」と笑顔を見せた素根。一方、「指導2」で競り勝った準決勝を振り返り、「ポイントを取れない試合もあり、課題がたくさん見つかりました」とも語っている。伸びしろはまだ十分にある。

翌日の団体戦は3位に終わり、個人戦との2冠は果たせなかったものの、次なる目標は、4月1、2日に行われる全日本選抜体重別選手権。女子重量級は社会人や学生に実力でも実績でもまさる有力選手がひしめくが、「優勝を目指して頑張りたい」と力強い。そうした積み重ねの先に、素根が思い描く「東京五輪で金メダルを獲得する」という夢へとつながっていく。