コロナ禍の受験生が志願したいと思う大学は―。リクルート進学総研(小林浩所長)は7月15日、高校3年生にアンケートして人気の大学などを探ったランキング「進学ブランド力調査2021」を発表した。関東の高校生の1位は2年ぶりに早稲田大が選ばれた。関西では14年連続で関西大、東海では5年連続で名城大が1位になった。

調査は14回目。高校3年生約12万人に調査票を送り、4月に10.2%から回答があった。大学進学希望者のみを選ぶなどした1万1679人の回答を集計した。「志願したい大学」は1人あたり4校まで選んでもらった。

関東は1位早稲田大、2位明治大、3位青山学院大

関東の高校生の中で志願したいと思った人が最も多かったのは早稲田大で、志願度(全体の中の割合)は10.0%だった。2位は昨年1位の明治大。この調査開始以来、両大学のどちらかが1位になっている。3位は青山学院大、4位、5位は中央大だった。

関東は私立大が上位を占める傾向がある。国公立大の最上位は昨年と同じ千葉大で、10位だった。

高校生の文理別では、文系の1位は立教大、理系の1位は東京理科大だった。

男女別では、男子の1位は明治大、女子の1位は同率で青山学院大と立教大だった。

進学ブランド力調査2021の総合ランキング

関西は1位関西大、2位明治大、3位は同志社大

関西の高校生の中で志願度1位だったのは関西大(13.5%)で14年連続。2位は4年連続で近畿大。3位は同志社大、4位は関西学院大、5位は大阪大だった。

関西は関東に比べて国公立大が上位に入る傾向がある。6位に神戸大、8位に大阪市立大、10位に大阪府立大13位に京都大が入った。

文理別では、文系の1位は関西大、理系の1位は大阪大だった。

男女別では、男女とも関西大が1位だった。

東海は1位名城大、2位名古屋大、3位は中京大

東海の高校生の中で志願度1位だったのは名城大(10.9%)で5年連続。2位は5年連続で名古屋大。3位は中京大、4位は南山大、5位は名古屋市立大だった。

東海も関東より国公立大が上位に入る傾向がある。6位に静岡大、7位に三重大、8位に岐阜大、9位に名古屋工業大が入った。

文理別では、文系の1位は南山大、理系の1位は名城大だった。

男女別では、男子の1位は名城大、女子の1位は名古屋市立大だった。

コロナ禍、人気の分野に影響も

小林所長によると、調査結果からは国立大を含めた知名度が高い大学の志願度が上昇する傾向がみられた。コロナ禍によってオープンキャンパス参加などの進路選択活動が制約されていることと、大規模大学が国の政策を受けて進めた定員抑制策が一段落したことが影響しているという。

アンケートでは、学問分野別の進路希望も聞いたところ、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展を受けて、「情報」「工学の電気・電子・情報」分野の志願者が増える一方で、「観光」「国際」「外国語」などの国際関連分野や、「美術」「音楽」「体育」などの実技系分野の志願者が減った。

今春の入試ではコロナ禍の影響で地元を離れて進学することを諦めた高校生が少なくなかったが、「地元志向が高まったわけではなく、コロナ禍が落ち着けば、地元進学以外が増えるのではないか」と小林所長はみている。