頑張ってるのに成績が上がらない」「やる気がでない」…それは自分に合っていない勉強のやり方をしてしまっているからかも。大人気教育YouTuberの葉一さんに、「自分に合った勉強法の見つけ方」をテーマに、中学時代よりも内容が増えて難しくなる高校の勉強に対応するコツを教えてもらいました。(安永美穂)
わからない部分は「優先順位」高めに、英数は特に注意
高校では、中学よりも科目数が増え、授業の進みも速くなります。通学に時間がかかる人などは、自宅学習にあてられる時間が短くなるかもしれません。
そのような状況でも成績アップを実現するには、「優先順位」をしっかり決めて勉強することが大切です。
授業中に「わからない」と感じたところは、できるだけ早く復習したほうがいいので、優先順位は高くなります。教科では、数学と英語はわからないところをそのままにしておくと、次に習うこともわからなくなってしまいがち。そのため、優先順位を高めにしておくことをおすすめします。
自宅学習では、知識を頭に入れる「インプット」の作業(暗記、教科書やノートの見直し、参考書での知識の確認など)だけで終わらせないように。頭に入れた知識を使って問題を解く「アウトプット」の作業(問題演習、赤シートを使った確認や一問一答など)にも取り組むと、より実力がつきやすくなります。
自分が「できること」に目を向けた勉強法を
自分に合った勉強法がまだ見つかっていない場合は、「できないこと」ではなく「できること」に目を向けてみてください。
例えば、短期記憶は得意でも長期記憶は苦手という人の場合で考えてみましょう。「短期間なら覚えていられる」という長所を生かして、忘れてしまう前に地道にくり返し勉強するようにすれば、記憶が定着しやすくなります。
自分の短所として「記憶力が悪い」「集中力がない」ことを挙げる人は多くみられます。ですが、ゲームなら攻略法をすぐに覚えて夢中になれるなど、「自分が好きなことで記憶力や集中力を発揮した経験」ならあるのではないでしょうか。
そもそも記憶力や集中力がない人はいません。記憶できないのではなく、忘れてしまっただけなのです。それなら、忘れる前に反復すればいいだけの話です。
自分にとってどのタイミングで反復すると効率良く定着するのかを試行錯誤してみてください。
勉強のできる友だちにどうやって勉強しているのかを聞いてみて、その方法を真似するのも良い方法です。
すでに誰かが成果を出している勉強法の中から、自分に合いそうなものを真似するうちに、「こうしたほうがやりやすい」と思うことがあれば、自分なりにアレンジしていきましょう。簡単に効果的な勉強法を組み立てることができます。
やらなくてもわかる部分は省略してOK
勉強法は固定化する必要はありません。中学時代のやり方にこだわらず、やらなくても理解できる部分はどんどん効率化していきましょう。
例えば、数学の基本問題を解いたあとで類題に取り組む場合。問題を見たときにパッと解法が思い浮かべば「解ける」と判断して、次に進むのもありです。
英語なら、教科書の内容を理解できていれば、ノートに全文和訳は書かなくて大丈夫です。(書きたい人は書いてもいいですよ。ただ効率化できる部分はどんどんしていきましょう)
中学時代に比べると、高校生になった皆さんの能力は確実にパワーアップしています。限られた時間の中で、優先順位の高いことに確実に取り組めるようにするためにも、省略してもよいところは適宜調整して、勉強のやり方もバージョンアップさせていってください。
(フォレスト出版、1540円=税込)
「教わるだけ」の勉強ではなく、みずから「学ぶ」自宅学習を習慣にして成績を上げる方法を徹底解説。中学生をメインターゲットとしながらも、計画の立て方・テスト対策・勉強の習慣化・集中力の高め方など、高校生にも役立つ内容が満載。
自分に合う勉強法の見つけ方ならば「勉強しているのに点が取れない理由」「やってはいけないNG勉強法」など、さらに詳細がまとめられている。
葉一(はいち)さん
教育YouTuber。東京学芸大学卒業後、塾講師などを経て独立。2012年にYouTubeチャンネル「とある男が授業をしてみた」の運営を開始し、小中高の主要教科の授業動画を無料で公開。チャンネル登録者数は139万人、動画累計再生回数は4億回を超える。