みなさんは裁判傍聴をしたことがありますか? 裁判というと、あまり身近ではない人が多いのではないでしょうか。法曹志望の高校生が、実際に裁判傍聴をして思ったことや、初めて傍聴する人へのやり方のアドバイスを紹介します。(高校生記者・なお=2年)

高校生が実際に裁判を見に行ってみた

私は高1のときに学校が募集していたインターンシップに参加し、その企画の一環で刑事裁判の傍聴をしました。今回は、裁判官や裁判所で働く方から聞いた話と裁判傍聴をしてみた感想、気をつけた方がいいことなどを紹介します。

インターンシップで法服を着させてもらったなおさん

まず、私が傍聴した刑事裁判の流れを説明します。

法廷に被告人(いわゆる容疑者)、検察官、弁護士が集まり、開廷時間になると裁判官が入廷し、裁判が始まります。裁判官が入廷するときには全員が起立するのが決まりです。

そして本人確認、罪状認否、冒頭陳述(どんな罪状なのか、どういう事件なのかの説明)、論告・弁論(どのような判決にするかの話し合い)と進み、最後に被告人が意見陳述を行い、一度閉廷します。

後日改めて判決言い渡しを行う……というのが裁判の大まかな流れです。

ドラマとは全然違った!

初めて裁判傍聴をしたときに驚いたのは、テレビドラマで見る裁判とは全く異なっていたことです。

みなさんのイメージする裁判は、検察側と弁護士側が闘争をして裁判の判定をひっくり返すようなものではないでしょうか。しかし私が傍聴した裁判はそうではなく、淡々と証言の確認や罪状の確認などの手続きの過程を見ていたという印象でした。

検察官と弁護士が協力しあって資料の確認をして円滑に裁判を進めている場面もあり、印象的でした。

テレビドラマで見る裁判とは全く異なっていた(写真はイメージ)

高校生でも分かりやすい裁判がある

傍聴をする際には、傍聴前に裁判所に電話をしてみることをおすすめします。これは裁判官の方が教えてくれたことのひとつでもあります。

私も裁判傍聴の前に電話をして、訪問する日時と高校生であることを伝えました。すると高校生でも理解しやすいものやなじみのある内容のものが、いつ、どこの法廷であるのかを教えてもらえました。

また、裁判は2回以上に及ぶことも多いのですが、初めての場合は1回目のもの(新件)がわかりやすいことや、同じ裁判の2回目以降も見るとより理解が深まること、裁判傍聴のマナーなどを教えてくれました。

裁判所に電話をするのはとても緊張しましたが、優しく対応してくださいました。

法曹界を目指す人に特におすすめ

高校生のうちに、裁判を見たことがある人は少ないのではないかと思います。しかし、一度でも見たことがある人とそうでない人では、裁判への理解に大きな差が出ると思います。特に裁判官・検察官・弁護士(通称「法曹」)を目指している人には、一度足を運んでみてほしいです。

裁判傍聴は「誰でもできるが、したことのない人が多い貴重な経験」だと思います。この記事で興味を持った人は、一度裁判所へ行ってみませんか?