学校の人間関係の中でも、学年やクラスなのに上下関係・序列が生まれてしまう「スクールカースト」はやっかいです。なかなか話しづらいこの問題について、スクールカーストの経験がある高校生記者と大学生で語り合いました。今回はなぜスクールカーストができるのかなどをテーマにしました。

座談会に参加してくれた高校生記者・大学生

Aさん(高校1年)

中学校まではクラスにカーストがあったが、高校に入ってからはなくなった。中学までのカーストでは下位にいた。

Bさん(高校2年)

中学・高校ともにカーストあり。カーストの上位でも下位でもない位置にいる。

Cさん(高校3年)

中学・高校ともにカーストがあるが、高校はカーストに対するこだわりが薄い雰囲気。1~1.5軍に属していて、クラスを仕切る人の補助的な立ち位置。

Dさん(大学1年)

高校時代にスクールカーストを経験した。

自分の立ち位置に心を砕き…

―今日集まっていただいた皆さんは、何らかのかたちでスクールカーストがある状況を経験していますね。

C 中学生の時から現在の高校まで、スクールカーストがずっとあります。私が通っている高校は特色のある学科で男子の数が少なく、カーストに対するこだわりは、普通のクラスに比べると低いかな。

B 私もCさん一緒で中学から今までずっとカーストがあります。高校入学すぐは、カーストについていけなくなるのが怖くて、周りの意見に合わせていました。ですが、そんな自分が嫌になり、高校2年生になってからはカースト制度の「上位でも下位でもない」という位置を心がけています。

C そうなんですね。私は今まで1軍~1.5軍と呼ばれる位置に所属していたと思います。クラスを仕切る子たちの補助をメインに担当してきました。そのため、クラスで「何かをする」というときには、自分たちとは所属が違うクラスメートに意見を言われたりしてきました。

スクールカーストは個人にレッテルを張り序列化するあしき現象

クラスでの決めごとで対立も

―クラスで決めごとをする際に、カーストが特に意識されるみたいですね。

B 昨年はある行事をやった際にクラスの打ち上げをカースト上位が企画したのですが、新型コロナウイルスのことを考え反対した人がいたにも関わらず実行してました。

A そんなことが……。

B 結局、打ち上げはやりたい人だけでやったんですが……私は参加していませんが、参加者はカースト上位ばかりでした。カースト上位の人たちは普段、学校内でマスクを着けずに大声で話していて。その人たちが打ち上げをしているので、自分は打ち上げに参加してなくても感染するのでは……と不安です。なかなか反対の声も聞いてもらえないので、困っています。

自分の意見をカースト上位の人たちにうまく伝えるには、聞いてもらうにはどうすれば良いんですかね。

C カーストが違うことで意見が伝わりづらい問題ですね。私の友達がクラスを率いる子。何かを決定する際、みんなの意見が反映されやすいよう、私がその子に助言したりしてきました。中間役であるため、みんなの意見が反映されず双方から板挟みになってしまうことがあったので、そうならないためにはどうしたらいいのだろうかと考えています。

B 立ち位置で悩みも変わるみたいですね。

A 私は中学まではカーストの「底辺」にいました。周りのことを気にして、自分らしく学校生活を送れていませんでした。

上位の人の意見が押し通される場合も

クラスの雰囲気を作る子がカーストの有無を決める

―Aさんは、中学時代はカーストがあったとのことですが、今は?

A 高校に入ってから、私のクラスではスクールカーストがなくなりました。

B スクールカーストがないクラスはどんな雰囲気なのかが気になります。

C スクールカーストがないなんてことは、考えられないです……。

A いわゆる陽キャ(明るくて活発、人付き合いが得意)と陰キャ(おとなしく内向的な感じ)の境目はあります。でも、陽キャの人が陰キャの人に話しかけることもあります。そのためカーストがないと感じました。

C なるほど! それなら私の高校のクラスも近い雰囲気な気がします。

A みんな周りを過剰に意識していないのだと思います。通常ならカースト下位になりそうな人が騒いでも上位になりそうな人たちは気にしないし、ばかにもしません。

B それはすてきなクラスですね!

A 初めてこのようなクラスになったのでうれしかったです。

―カーストって、どこで作られちゃうのでしょう。

C 陽キャと陰キャの境目があるとカーストが存在すると考えていましたが、Aさんの話を聞くと違うのかもと思ってきました。境目があるからカーストがあるとは限らないのですね。

B 私も陽キャが上位、陰キャは下位という印象がありました。

C 結局、陽キャのようなクラスの雰囲気を作っている子たちが、「カーストのあり・なし」を決めてしまっているような気がします。

(続きます)