神奈川工科大学の「KAIT工房」は、学部学科にとらわれず、学生が自由に利用できる施設。木工・金属・鋳造・レーザー加工・モデリング加工など、多種多様な工作機械が用意され、自由にものづくりができる。KAIT工房を利用する2名の学生に話を聞いた。

研究室で活用する工作機器の自作に挑戦

 

最初に話を伺ったのは、創造工学部自動車システム開発工学科4年の近藤鼓太郎さん。研究室で使う「定盤」をつくるためにKAIT工房を訪れたという。

ー「定盤」とはどういうものでしょうか?

「鉄やアルミなど、金属の材料を加工する際に、表面に印をつける『けがき』という作業があります。この『けがき』を行う際やサイズを測定する際などに、必要になるのが定盤です。基準となる台なので、精密に水平であることが求められます。私の研究室には定盤がないため、工房でつくることができたらと思ったんです」

ー今日はどれくらい進みましたか?

「今回は結構簡単に作れるかなと思っていたのですが、指導員の小林操さんと話してみて、予想以上に難しいことがわかりました。今後、どのように進めるかじっくり考えたいと思います。今回のように、頭の中にあった構想を話してみて、アドバイスをいただけるのは助かりますね」

ーKAIT工房の魅力は?

「1・2年生の頃は授業が忙しく、利用する機会が少なかったのですが、3年生以降は授業の空き時間で来るようになりました。いつも学生でいっぱいで、人気の工作機械は順番待ちになるほど。指導員のアドバイスはもちろん、無料で使える端材があるのも魅力です。ちょっとした本棚を作ったりすることもできるんですよ」

 

手の不自由な方向けの「ロボットハンド」製作

 

2番目に登場するのは、創造工学部ロボット・メカトロニクス学科4年の大木彬さん。彼は自身の卒業研究のために工房を利用している。

ー卒業研究で何を作っているのでしょうか?

「3Dプリンターを使い、ロボットハンドの製作を行っています。人間の手と同じように関節で動くような設計になっており、すべてのパーツを作っているんです。4月以降で、3次元CAD設計ソフトウェアを使ってパソコン上で設計したデータを持ち込んで、3Dプリンターを動かしています」

 

ーいつ完成予定ですか?

12月中の完成を目指しています。実際にパーツを作り始めたのは10月以降。それ以来、ほぼ毎日ここで作業しています。構想段階から考えると、4月からずっと続けているので、早く完成させたいですね。

ー工房の魅力を教えてください。

「KAIT工房では、部品のバラ売りもしてくれます。電池1個、ネジ1個から買えるんです。3Dプリンターは、樹脂を溶かして形を作っていきますが、つくった分だけ材料費を払うスタイル。機械も含め、自分で用意するのは大変なので、とても助かっています」

 

今回は、KAIT工房を活用する2名の学生に登場してもらった。今年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、利用者は減っているというが、卒業研究などでは欠かせない施設のようだ。KAIT工房をはじめとした大学の魅力を知りたい人は、ぜひ資料を取り寄せて読んでみてほしい。

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提供:神奈川工科大学