実は、私はバイセクシュアル(両性愛者)です。バイセクシュアルとは、「男性も女性も好きになる」という性的指向を指します。学校生活で感じる肩身の狭さと、周囲の人に知っていてほしいことについてお話します。(高校生記者=ひなた)
LGBTQはすぐそばにいる
LGBTQ(性的少数者)は、人口の5~6%の割合でいるとされています。意外に多い数字ですが、多くの人は、身近にはいないと考えるでしょう。しかし、カミングアウトをしていないだけで、性的少数者はすぐそばにいます。
「BLは好きだけど」抵抗感示す友人たち
私は、学校ではカミングアウトはしていません。相手が困ってしまうと思うからです。
あるとき、クラスで同性愛の話題になりました。友人は、「2次元のBLは好きだけど、ガチの人は普通に無理」、他の人は「同性を好きになるのはファンタジー。現実にいるわけがない」と言いました。
バイセクシュアルである私にとって、同性愛は異性愛と同じように当たり前の感覚だったので、思わず「私は同性の子と付き合ったことあるよ」と異を唱えました。すると「いやいや、冗談でしょ」と返され、この話は終わりました。
自分を隠して異性愛者のフリ…
黙っているといない存在とされ、言うと信じてもらえないか戸惑われる。そんな体験を何度か繰り返し、進んでカミングアウトはしないと決めました。
性的少数者が身近にいないのは、当事者が隠しているからではないでしょうか。相手にどう思われるか分からないから、異性愛者のフリをします。けれど、相手が日頃から、異性愛を当たり前としない態度を取ってくれるだけで、当事者は打ち明けやすくなります。
同性愛以外にも、性別にこだわらない人や、そもそも恋愛感情を抱かない人など、性的指向のあり方は多様で複雑です。
異性愛者も同性愛者も両性愛者も無性愛者も、どんな性的指向であっても、生まれつきのものであり変えることはできません。けれど、社会では異性愛が当たり前であると認識されています。
一人でも多くの人が、その当たり前に疑問を抱き、性の多様性を理解し受け入れてくれることが、多様性を尊重する社会へと変えていく一歩になると信じています。(ひなた=3年)