英国の教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)は2020年9月、世界の大学を研究の影響力や国際性などの基準で順位付けした「世界大学ランキング」の最新版(2021年版)を発表した。1位は5年連続で英国のオックスフォード大学。日本からは前年より6校多い116校がランクインした。中国をはじめアジアの大学の存在感がましている。国内の最高順位は東京大学の36位だった。(記事末尾に日本からランクインした大学の一覧)

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THE世界大学ランキング2021の世界と日本の上位大学一覧

日本のトップは東大の36位、京大は順位上げる

THEの世界大学ランキングにランクインするには各大学が自主的にエントリーしたうえでスコアが上位になる必要がある。今回は、世界の1527校がランクインした。日本の116校は、米国についで2番目に多い。内訳は国立57校、公立12校、私立47校だった。

国内トップの東京大学は昨年と同じ36位。続く京都大学は54位と、昨年(65位)より順位を上げた。日本から200位以内に入ったのはこの2校だった。日本は全体ではランクイン数が多いが上位には食い込めていない。

他の国立大では、東北大学が201~250位に、東京工業大学が301~350位に、名古屋大学、大阪大学が351~400位に、401~500位に九州大学、東京医科歯科大学、筑波大学が入った。

東京大学の安田講堂

私立大上位は医科系中心

日本の私立大の中で順位が高かったのは、351~400位の産業医科大学をはじめ、501~600位の藤田医科大学、帝京大学、601~800位の東京慈恵会医科大学、関西医科大学、慶應義塾大学、日本医科大学。論文引用数など研究力を測る指標が順位付けの中心となっていることもあり、国内大では医学部を持つ大学や医科大学が比較的上位に多く入る傾向にある。

公立大では、福島の会津大学、神奈川の横浜市立大学(ともに601~800位)が上位に入った。

世界最上位は米国と英国が占める

世界の上位大学をみると、ベスト10は前年と同様に、米国と英国の大学で占められた。米国のスタンフォード大学が前年の4位から2位に、ハーバード大学が前年の7位から3位に順位を上げた。

中国の存在感増す、アジアトップは清華大学

アジアのトップは、20位に入った中国の清華大学。23位の北京大学、70位の復旦大学など中国からベスト100に6校が、ベスト200に7校が入り、全体には91校がランクインし、存在感を増している。シンガポールからはシンガポール国立大(25位)など2校がベスト100にランクイン。韓国からはベスト100にソウル大(60位)など2校が、ベスト200には7校が、全体に35校がランクインした。日本はベスト200の校数は前年に続き中国と韓国を下回った。

世界大学ランキングはどう決まる?基準は?

THEのランキングは世界的に注目され、留学する大学を選ぶ指針としても使われている。①教育力②研究力③研究の影響力④国際性⑤産業界からの収入―の各分野を設け、各大学の学生と教員の比率や留学生比率を調べたり、世界の研究者に各大学の評判を調査したりして順位を決める。大学ランキングは順位付けの基準によって結果は左右され、絶対的なものではない。THEの世界ランキングは研究や大学院教育の成果を重視しているのが特徴だ。