英国の教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)は9月2日、世界の大学のうち99カ国・地域の1662校を研究の影響力や国際性などの基準で順位付けした「世界大学ランキング」の2022年版を発表した。日本からは米国についで多い118校がランクインした。一方で上位200校に入ったのは東京大学と京都大学の2校にとどまり、中国や韓国を下回った。(記事後半に、日本からランクインした全大学の一覧を掲載)

研究力を重視したランキング

THEの世界大学ランキングは、エントリーした大学について教育(評判調査や博士号取得者の比率など)、研究(評判調査や研究関連の収入など)、論文の被引用数、国際性(外国籍の学生や教員の割合など)、産業界からの収入のそれぞれを点数化して順位付けする。順位は点数化の基準によって左右され、絶対的なものではない。THEの世界ランキングは研究や大学院教育の成果を重視しているのが特徴だ。

THE世界大学ランキング2022の上位にランクインした日本の大学

日本の最上位は東大の35位、京大は61位

日本からランクインした118校の内訳は、国立57校、公立12校、私立50校。ランクイン校数は米国(183校)についで多く、英国(101校)、中国(97校)を上回った。

日本の最上位は、東京大学の35位で、昨年(36位)からほぼ横ばいだった。ついで、京都大学が61位で、昨年(54位)よりやや順位を下げた。

400位以内に6校、すべて国立

日本から上位200校に入ったのは、昨年につづき、東大と京大だけだった。日本の大学はランクイン数は多いものの上位には食い込めない状況が続く。日本から400位以内に入ったのは東北大学、大阪大学、東京工業大学、名古屋大学を含む6校で、すべて国立大だった。

私立大では産業医科大学が、公立大では横浜市立大が401~500位に入った。点数の内訳をみると、被引用論文のスコアが際立って高く、順位を上げる要因となったとみられる。

THE世界大学ランキング2022の世界トップ20校

世界1位はオックスフォード大、米英勢が上位占める

世界1位は昨年に続き、英国のオックスフォード大学で、2位が米国のカリフォルニア工科大学とハーバード大学。上位10校は米国と英国の大学が占めた。

中国が初の20位以内、韓国・香港も上位に

アジアからは、中国の北京大学と清華大学がともに16位に入った。中国の大学が上位20校に入ったのは初めて。シンガポールのシンガポール国立大学が21位、香港の香港大学が30位、韓国のソウル大学が54位に入り、いずれも昨年より順位を上げた。上位200校に中国の大学は10校が、韓国の大学は6校が、香港の大学は5校が入った。上位校をみると、日本より中国や韓国の大学に勢いがある状態だ。