英国の教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」(THE)は2025年4月3日、日本の国公私立大学のうち257大学の「教育力」を独自の基準で測って順位づけした「THE日本大学ランキング2025」を公表した。1位は、5回連続で東北大だった。

「THE日本大学ランキング2025」の上位に入った大学一覧

アンケートなどで「教育力」を測定

世界大学ランキングで知られるTHEの日本版大学ランキングは8回目。「世界版」が研究力を重視しているのに対し、日本版は教育力を測ろうとしているのが特徴だ。学生数1人あたりの教員比率や教員1人あたりの論文数、大学合格者の学力などに基づく「教育リソース」、在学生や高校教員へのアンケートによる「教育充実度」、企業人事や研究者の評判を調査した「教育成果」、外国人学生数・教員数や日本人学生の留学比率による「国際性」の4分野を点数化し、総合点で順位付けしている。

東北大が4年連続1位、東大3位に転落

1位の東北大は、85.0点。前々回(85.6)、前回(85.9)より微減した。分野別では、教育リソースで7位、教育充実度で8位、教育成果で4位、国際性で12位だった。

2位は東京工業大学で、82.7点。前回の4位から順位を上げた。教育充実度が4位、教育成果が7位、教育リソースが14位だった。24年に東京医科歯科大と統合し現在は東京科学大学だが、今回のランキングでは東京工業大と東京医科歯科大として別に評価されている。東京医科歯科大は、前回に引き続き教育リソースが1位だった。

東京大は3位で前回の2位から順位を落とした。2018年は1位だったが、以後は1位から遠ざかっている。

4位は京都大。前回の5位から一つ順位を上げた。教育成果のランキングは6回連続で1位だったが、教育リソース8位(前回6位)、教育充実度20位(前回18位)と、評価をおとしている。

5位は九州大学で、教育充実度が6位と前回の10位から順位を上げた。

私立トップは国際基督教大、公立トップは国際教養大

私立大で上位に入ったのは、11位の国際基督教大(前回は10位)、12位の慶應義塾大(前回も12位)、14位の早稲田大(前回も14位)、立命館アジア太平洋大22位(前回も22位)、上智大24位(前回22位)など。

公立大では、10位の国際教養大(前回15位)、27位の会津大(前回24位)が上位に入った。国際教養大は教育充実度が2位、国際性については前回の12位から大きく順位を上げて1位だった。

コロナ禍前の留学生派遣数に戻りつつある

大学教育へのコロナ禍の影響について、調査をとりまとめたTHEのPhil Batyさんによると、「国立大学やもともと派遣留学生の割合の高い大学が、ようやくコロナ禍前の留学生派遣数に戻りつつあるのは心強い。特に注目すべきは国際教養大学が2020年以来トップ10に返り咲いたこと」だと話している。

日本版大学ランキングのランキング指標

日本大学ランキング2025の順位付けの根拠となったランキング指標は次の通り。

 
日本大学ランキングの順位付けの根拠となる指標
 

「教育リソース」「教育充実度」「教育成果」「国際性」の4分野のそれぞれで複数の指標をもとに点数化している。