オススメの小説を高校生記者の朝倉七緒さんに紹介してもらいました

最後まで読み切るとまた読み返したくなる

『七月のテロメアが尽きるまで』/天沢夏月著(メディアワークス文庫、590円=価格は税抜)

楽しみだった夏休みが短縮されてしまい、例年とは違って、暑いなか学校へ行く期間が延びてしまう……そんないつもとは違う今年の夏に読んでもらいたいのが『七月のテロメアが尽きるまで』です。

人付き合いを避けて生きてきた男子高校生・内村秀は、ある日クラスメートの飯山直佳が落としたUSBメモリーを拾います。その中の「遺書」と書かれたデータを見てしまったことから、二人の奇妙な交流が始まるという青春小説です。

『七月のテロメアが尽きるまで』天沢夏月著(メディアワークス文庫、590円=価格は税抜)

生と死について書かれている作品には、少し悲しい結末になってしまうお話が多いのですが、この作品は少し違います。読み始めると、すんなり小説の世界に引き込まれていき、実際に自分がその世界にいるかのような気持ちになります。

最後まで読み終えると、もう一度読み返したくなるような作品です。私も最後まで読み終えた数日後には、もう一度読み返してしまうくらいお気に入りの1冊です。

生きることの素晴らしさを実感できる

私はこの本を読んで、生きることの素晴らしさを実感させられました。人はどんなにつらいことがあっても、生きてさえいれば、いつか自分の人生を振り返ったときに、生きていてよかったと思えるときが来るのかもしれません。私もそう思えるような人生を送りたいと思いました。(高校生記者・朝倉七緒=2年)