オススメの小説を本好き高校生記者のもつ君に紹介してもらいました。

謎解きで明かされるトリックにびっくり

万能鑑定士Q』シリーズ
松岡圭祐著(角川文庫、520円=価格は1巻、税抜)

僕は、これまで1000冊を超える本を読んできました。年間300冊くらい読んでいた年もあります。その中からオススメしたいミステリー小説「万能鑑定士Q」シリーズを紹介します。

『万能鑑定士Qの事件簿I』松岡圭祐著(角川文庫、520円=価格は1巻、税抜)

主人公の凜田莉子は、優れた観察眼と洞察力を駆使し、鮮やかに事件を解決します。

想像もつかないような作り込まれたトリックが隠されていて、さらに日常生活にも活用できる、ためになる知恵やテクニックがちりばめられているところが魅力です。

主人公は「ロジカルシンキング」という思考法を使い、事件の矛盾やニセモノとのすり替え手順などを発見します。読んでいるうちに自分も謎解きをしている気分になり、最後に莉子が謎を解いた時、「なるほど! そのトリックには気づなかった!」……きっとそう驚くはずです。

始めは成績オール1…でも成長する主人公

最初は成績オール1の莉子。沖縄から上京し、恩師と出会う中で彼女は「万能鑑定士」へと変貌します。シリーズ累計で20冊(短編集など含む)以上もあり、徐々に主人公が成長していくことも見どころの1つです。

事件を解決していく中でのさまざまな人との出会いも丁寧に描かれていきます。記者の小笠原、万能贋作者の雨森、松岡圭祐さんが著した別シリーズの主人公たちなどが登場することもファン心をくすぐられます。

綾瀬はるかさん、松坂桃李さん主演で映画化もされました。「面白くて知恵がつく  人の死なないミステリ」の最高傑作。皆さんも読んでみてはいかがでしょうか。(高校生記者・もつ=3年)