埼玉・星野高校筝曲部は第 40回全国高校総合文化祭広島大会(ひろしま総文)の日本音楽部門(8月、福山市)で文部科学大臣賞(最優秀賞)を受賞した。部員のほとんどが初心者から始める中、日本一の実力をつける秘訣を探った。(野村麻里子)
5度目の最優秀賞
披露した曲は「三面の筝によるカプリース」。 カプリースは音楽用語で「狂想曲」を意味し、曲は3つの楽章からなる。同校はこれまで全国高総文祭に37回出場し、コンクール形式になってから今回で5度目の最優秀賞を受賞した。副部長の山口桃花さん(3年)は「練習でアドバイスをしてもらうなどOGに支えられてきた。OGへの感謝の気持ちも込めて演奏したい」と、優秀校東京公演の本番前に話した。
部員のほとんどが初心者で、ほぼ毎日活動し、 朝練習もこなしているという。音色にこだわり、小さい音でも芯がある音色が出せるよう練習を重ねてきた。副部長の吉田まゆりさん(3年)は「フォルテ(大きい)の音を出す気持ちのままで音量を下げると目指す音色に近づける」と教えてくれた。
「この世で一つしかない演奏ができた」
部長の中西佳穂さん(3年)は「気持ちを一つにして演奏することを目指した」と話す。曲の捉え方を擦り合わせるため、何度も話し合った結果、「(総文祭では)この世で一つしかない自分たちの演奏ができた」という。
中西さんは「筝は演奏者の心が音色で表現されるもの」と話した。部活としてあいさつや身だしなみなどの礼儀作法を重んじているという。