毎年1つのテーマを決め、研修旅行やイベントを企画するなど多角的に活動しています。2019年のテーマは「万葉集」。

「ふつうの子」なんて、どこにもいない
木村泰子著(家の光協会、1400円)

進化する人材育成

「ふつう」とはなんだろう。例えば、椅子に座れない子や暴れる子は「変わっている子」とあなたは見るだろうか。大阪市にある大空小学校では、そういう子がいて当たり前。「困った子」ではなく「困っている子」として見ることで、「ふつう」として受け入れる空気がある。「ふつう」と思っていることに疑問を持ち、新たな視点から自分の考えを変えるきっかけをくれる。(脇田藍さん・3年)

 

よるのばけもの
住野よる著(双葉社、1400円)

10代特有の世界観

「ばけもの」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。妖怪? それとも人間? この作品は、夜だけ「ばけもの」になる少年と、あることを境に「いじめ」を受けている少女の話である。表紙は「ばけもの」と少女が向かい合っていて印象的だ。少年の視点から「いじめ」を見ることで、クラスの雰囲気や少年の気持ちが分かりやすくなっている。(則本綾乃さん・3年)

 

「また、必ず会おう」と誰もが言った。
喜多川泰著(サンマーク出版、1400円)

人生の先輩から学ぶ

うそをついたことで始まった東京旅行。帰りの飛行機を逃してしまった主人公は、ある女性に声を掛けてもらったことで、家に帰るまでの間、たくさんの人生の先輩に出会う。誰かの価値観にとらわれないことや、自分の気持ちに真っすぐになることなどを学んでいく。自分の周りの人や日常を大切に生きていこうと、前向きに思わせてくれる。(齋藤百花さん・3年)

 

愚者のエンドロール
米澤穂信著(角川文庫、560円)

欺かれた死角

2年F組の自主製作映画が、未完成の状態で途切れていた。学校生活の謎に挑む「古典部」のメンバーは、映画の結末を導き出すことを依頼される。シリーズものだが前作を読んでいなくても楽しめる。「結果を導き出そう」とする探偵の視点だけでは、すべての謎を解けない。視点を変え、違う角度から見ることで、事件の真相へ近づき、衝撃を味わえるだろう。(P.N 日菜乃・3年)

 

魔天使マテリアル
藤咲あゆな著(ポプラカラフル文庫、790円)

運命に立ち向かう少女

当時小学6年生だった私は、今まで聞いたことのない題名に心を奪われた。主人公は児童養護施設で育った小学5年生のサーヤ。小さい頃、名前を書いた紙と横笛とともに置き去りにされた。ある日、彼女の前に兄と名乗る青年が現れ、身の回りで危険なことが起こるようになる。高校生でも考えさせられる本だ。(P.N のも・3年)

 

イニシエーション・ラブ
乾くるみ著(文春文庫、630円)

通過儀礼の恋愛

「通過儀礼の恋愛」。これが題名の和訳である。私はこの題名を子供から大人になるための恋愛という解釈をした。この本は、甘美でときにほろ苦い青春のひとときを描いた青春小説に見せかけたミステリー小説である。最後の2行目で物語が変貌するため、あらすじは聞かずに読んでもらいたい。この本に、500万人が騙されたと帯に記載されており、私もその一人である。誰の「通過儀礼の恋愛」なのかを注目して読んでほしい。(P.N 紀佳・3年)

 

※ 価格はすべて税別