大学入試センター試験にかわり2021年度入試(20年度に実施)から始まる大学入学共通テストで新たに導入される記述式問題を高校はどう受けとめているか。高校生新聞が全国の高校に実施したアンケート調査(1120校が回答)では、51%が記述式問題の導入を望ましいと答えた一方で、採点作業が民間企業に委託されることについて82%が不安と回答した。これまで二度の試行調査が行われ、その問題や採点基準が公表されたものの、高校の不安は解消されていないようだ。(西健太郎)

全国1120校が回答

アンケート調査は今年8月から9月にかけて実施。全国の高校・中等教育学校4906校に調査票を送り、1120校(公立782校=国立を含む、私立338校)の校長、教頭、進路指導担当などから回答を得た。回答率は23%。

国語・数学で3問ずつ、採点作業は民間委託

大学入学共通テスト試行調査の国語の問題、解答用紙、自己採点用紙

大学入学共通テストの国語では、1つの大問が記述式の出題にあてられ、その中で小問3問が出題される。解答字数は最も長い問題で「80~120字程度」となると予告されている。数学は、小問3問が数式などを記述させる形式で出題される。記述式問題は、マーク式問題と同様に大学入試センターで大学教員らによって作成されるが、採点作業は民間企業に委託され、ベネッセグループの会社が受託することが決まっている。採点者には大学生や大学院生も想定されているという。

記述式導入の賛否二分、受験者多い高校は否定が多く

全国高校へのアンケートで「国語と数学で記述式問題を出題するのは望ましい」と思うかどうかを尋ねたところ、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」をあわせて51%だった(四捨五入のため、2つの選択肢の単純な合計にはならない)。「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」をあわせると48%で、賛否は二分された。大学進学率が高い高校ほど望ましいとする回答が減る傾向にあり、生徒の8割以上がセンター試験を受けている高校に限ると、望ましい(どちらかといえば―を含む)とする回答が38%にとどまり、望ましくない(同)とする回答が62%に上った。公私立別では、公立校の49%(同)、私立校の57%(同)が望ましいとする回答だった。

高校生新聞が実施した高校へのアンケート「高大接続改革に関する全国高校調査」では大学入学共通テストの記述式問題導入についても尋ねた

公立の80%、私立の86%が「不安」

続けて、「国語と数学の記述式問題の採点の一部を民間企業に委託するのは不安だ」と思うかどうかを質問すると、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」をあわせて82%に上った。「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」の合計は16%だった。生徒の8割以上がセンター試験を受けている高校に限ると、不安(どちらかといえば―を含む)とする回答が91%に上った。公私立別では、公立校の80%(同)、私立校の86%(同)が不安と答えた。

「記述力・論述力」を伸ばすことは課題と認識

アンケートでは、各校の指導上の課題も尋ねたところ、高校の62%が「生徒の記述力・論述力」を伸ばすことを特に改善すべき課題だと考えている。こうした課題認識をもちながらも、大学入学共通テストの採点などには不安が強く、そのことが導入への賛否が二分されている背景のひとつとみられる。大学入学共通テストを実際に受ける生徒が多い見込みの高校ほど不安が大きいのが現状だ。