高校文化部の代表が集う第43回全国高校総合文化祭(2019さが総文)が7月27日~8月1日までの6日間、佐賀県で開催されている。全国から約2万人の高校生が、演劇や合唱、吹奏楽など23部門に分かれ、活動の成果を発表。27日、佐賀市文化会館(佐賀市)で行われた総合開会式では、佐賀の高校生たちがダンスや合唱、創作劇を華々しく披露した。(文・写真 野村麻里子)

ふるさとの財産は何? 代表者が宣言

今年の大会テーマは「創造の羽を広げ、蒼天へ舞え バルーンの如く」。大阪なら「はばたけ お笑いと粉もんパワーで元気よう」、愛媛なら「はばたけ 愛媛のおいしいみかん」など、各都道府県の代表生徒が「はばたけ」のキーワードに続き、ふるさとの財産を述べた。また、各部門の代表生徒は、新聞部門ならば「はばたけ 未来へ伝えたい今がここにある」、自然科学部門ならば「科学の力で私たちの輝く未来のために」など、大会成功への熱い思いを宣言した。  

「愛してる」と叫ぼう 観客も一体になった創作劇

生徒発表では、創作劇「蒼天の翼」を発表した。文化祭前のあるクラス。ミュージカルを出し物にすることになったが、やる気がなく、まとまらない。台本を書くことになった女子高校生・ミライが描く想像の世界と、現実の世界を行き来しながら、ばらばらだったクラスメートが心のつながりを取り戻していく。

終盤の一コマ。翼を広げているようだ
 
 
舞台に立つ少女に「愛してる」と叫ぶ

劇中で愛を求める孤独な少女に「愛していると言ってあげて」と観客に呼びかけ、観客みんなが大声で「愛してる」と叫ぶなど、会場が一体となる演出もなされた。「いつだって立ち上がれる」「この世界はもっと愛であふれてよい」「幸せになることを決して辞めないで」。混沌とした現代社会を力強く生きようという強いメッセージをミュージカル仕立てで伝えた。

生徒役と先生役

2年間かけて準備 佐賀の魅力を伝えたい

生徒実行委員会はこの日に向けて2年間準備を続けてきた。委員長を務める佐藤雄貴君(佐賀清和高校3年)は、「高校生の努力やエネルギーをより多くの人に伝え、佐賀の魅力を全国に発信したい。活動は楽しいことばかりではなく、うまくいかない、泣きそうになったこともありましたが、諦めずに準備してきました。今日を迎えられたことは、佐賀の多くの人の志があるからだと感じています」と話した。

今回舞台に立った高校生全員の登壇によるフィナーレ