番組を収録する北嶋阿弥さん(右)と本田詠咲さん(学校提供)

平安末期の武将を研究

朝倉高校(福岡)史学部は、週2回の活動と月1回程度のフィールドワークを通じて地元・朝倉市の伝統・伝承文化を調査している。部長の北嶋阿弥さん(3年)と本田詠咲さん(副部長、3年)は、1年時から朝倉市近辺にゆかりのある平安末期の武将・源為朝(みなもとのためとも)をテーマに研究を続けている。

フィールドワークに出かける二人
フィールドワークでも息がぴったりだ

同校の図書館所蔵の地誌「福岡県地理全誌」などに記された源為朝に関する記述を頼りに、校外で史跡調査を行ったところ、源為朝本人、為朝の母が眠ると伝えられるお墓などを発見。活動成果を5月の「高校生ポスターセッション」(日本考古学協会主催)で発表し、優秀賞を受賞した。

日本考古学会から表彰された

3時間かけて収録

2人は、「私たちの歴史を探る活動をもっと多くの人に伝えたい!」と思いたち、今年度から約10分間の歴史ラジオ番組をスタートさせた。番組は、オープニングトーク、部で取り組む歴史研究の内容について、今後の活動予定の3部構成で進行し、月1回YouTubeで公開している。

「古典文学や土方歳三が大好き!」と歴史愛にあふれる北嶋さんと、第1回では進行役を担った本田さんの仲の良さを感じさせる軽妙なフリートークも魅力だ。「話す時間が番組10分の尺より短かったり長かったりしたら録り直し。第1回の収録は、約3時間かかり大変でした」(北嶋さん)。本田さんは、「番組内での北嶋さんとの会話が想像以上に弾んだ(笑)。部の楽しい雰囲気が伝わると思う」と、手応えを感じたという。

掛け合いの面白さ好評

ラジオ番組を聴いた友人たちからは、「声が良かった」「2人の掛け合いが面白い」との感想をもらった。一方で「史学部の活動をもっと知りたかった」との声も寄せられた。「助言を取り入れ、第2回の番組では、部の活動内容を詳しく紹介したんです」(本田さん)

新入部員が1人増え、第2回からは3人で収録を行っている。「後輩からの歴史に関する疑問に私たちが答えるような、広がりのある歴史トークができるようになっていくはず。期待してほしい」(北嶋さん)。今後は、交流のある地元の歴史資料館の職員を番組ゲストに迎えるなど、数々のお楽しみ企画が練られているという。(中田宗孝)