大学の学費や学生生活にかかる費用の負担を軽減させる奨学金。制度がどんどん変わっているため、正しい最新の情報を得ることが大切だ。ファイナンシャルプランナーの竹下さくらさんに、知っておきたい奨学金に関する基礎知識や最新情報を教えてもらった。(中田宗孝)

Q.いつから何を準備すればよいでしょうか?

A.学校で行われる説明会に必ず参加しよう。「必要ない」と思っている人も、一度保護者に話をしよう。

奨学金に関する説明会が学校で実施されるので、必ず参加しましょう。学校によって開催時期が異なり、早い学校では高2の秋に開かれることも。事前に奨学金説明会の日時や概要が記された案内プリントが配られるはずです。自ら確認するのはもちろん、保護者とも必ず情報共有しましょう。

「不要だ」と思っていても保護者に相談を

「奨学金なんて自分は関係ない」と思う人も、家計事情を保護者に確認しましょう。「無用な心配をさせたくない」と、お金に関することをみなさんに伝えていないケースが多いからです。

保護者の中には「国公立の学費は奨学金を利用しなくても支払える。だけど私立に入学したら、奨学金や子供のアルバイトで学費を賄ってほしい」と考えている場合があります。ですが、お金を返済しなくてもいい「給付型奨学金」、利子のかからない「第一種奨学金(貸与型奨学金)」などの魅力的な奨学金をもらうための手続きは、高校在学中に始まります。

ですので、保護者とよく話し合い、奨学金に関するお互いの認識の違いや誤解をなくすように努めましょう。また、担任の先生との密なコミュニケーションを取っておくことも大事。奨学金を受ける意思があること、奨学金に関する説明会の日時を知りたいと、あらかじめ担任の先生に伝えておくこともオススメします。

書類は用意に時間がかかる

奨学金を申し込む際に提出が義務付けられる必要書類の中には、保護者の「年収(見込)証明書」や「住民票」があり、発行まで数日間要するものもあります。提出期限が明日に迫る書類を、慌てて締め切り前日に用意しようと思っても難しいのです。書類提出の締め切りを過ぎたら、当然、奨学金はもらえません。

 

竹下さくらさん(フィナンシャルプランナー)

たけした・さくら 慶應義塾大学商学部保険学専攻。卒業後、保険会社勤務を経て、フィナンシャルプランナーに。コンサルティング、講演活動を行う。著書「『奨学金』を借りる前にゼッタイ読んでおく本」(青春出版社)など