優勝した渋谷教育学園幕張高校の3人

即興型の英語ディベートの全国大会「第8回日本高校生パーラメンタリーディベート連盟杯」(日本英語交流連盟など主催)が3月、オリンピック記念青少年総合センター(東京)で開催された。優勝チームには、渋谷教育学園幕張高校のチームが選ばれた。

英国の国会模して議論

「パーラメンタリーディベート」とは、イギリスの国会形式を模したチーム対抗の即興型英語ディベートだ。ディベートが開始する前にひとつの議題が与えられ、議題を国会に提出する際を想定し肯定側(Government)と否定側(Opposition)に分かれる。チームから1人ずつ前に出て決められた時間の中で順番に立論スピーチをして、自らの立場を主張し議員を模した審査員を説得する。議論の内容やスピーチの論理的構成などの観点から、より説得力があったチームが勝利となる。今大会では同じ学校の3人がチームを組み、都道府県大会を突破した42チームが連盟杯に出場した。

議題は直前に配布

2日間に渡るトーナメント形式の試合を経た最後の決勝では、「free speech should include the right to offend」を議題として、25分間の準備時間の後ディベートが行われた。議題は直前に与えられるため、日頃からの時事問題への関心と理解が求められる。それに加えて大勢の聴衆の前で英語を駆使して即興でスピーチをするため、柔軟に対応する力と議論を組み立てる瞬発力が必要とされる、難易度の高いものだ。決勝は、講評の中で「いままで行われた高校生の英語ディベートの中で見たことのないくらいの最高のレベルだった。大学生のディベート大会を見ているようだった」と評価された。

論理的に考える力つけた

優勝したのは、渋谷教育学園幕張高校(千葉)の梶谷凜奈さん(1年)・金世和君(1年)・尾島良汰君(2年)のチームだ。大会に向けての事前準備として、ディベートの際に有効なさまざまな作戦を試して、顧問の先生のアドバイスのもとチームの弱点を強化してきた。その結果、その場で考える力や、学力関係なく論理的に考える力がついたという。

議題が与えられてからの短い準備時間を最大限に使うため、チームでしっかり連携をとれるようにすることにも力を入れてきた。決勝でも、事前準備はもちろん、壇上でお互いにメモを見せ合うなど連携を密にしていた。強さの訳は「チームの信頼関係が一番だと思う」と金君は力強く話した。(文・写真 福元まりあ)=学年は大会時

大会中の様子