新しい環境での出会いが増えるこの時期、友達関係のことで悩んだら、どう考えて対処していけば良いのだろうか。「認知行動療法」の専門家である千葉大学大学院医学研究院の清水栄司教授に聞いた。(安永美穂)

Q. 周囲と意見が合わないと、つい攻撃的な口調になってしまい、自己嫌悪でつらいです。

A. 怒りやイライラに点数をつけ、客観的にとらえよう。

怒りやイライラはあって当然の感情ですが、感情に流されないようにするには、自分がどれくらい怒っているのかを客観的にとらえることが大切です。

全くイライラしていない状態を0点、怒りが爆発した状態を100点として、イライラや怒りを感じたときはそれが何点くらいなのかを考えてみましょう。「自分は80点を超えるとキレやすい」とわかったら、70点くらいの怒りを感じた時点でトイレに行くなどして一人になると、攻撃的になるのを防ぐことができます。

また、「そんなことを言うなんてひどい!」と相手を攻撃するのではなく、「私はそう言われると悲しくなる」と自分を主語にして話す「アイ(I)メッセージ」を使うのも、トラブル防止には効果的です。

 
清水栄司教授
しみず・えいじ 千葉大学大学院医学研究院認知行動生理学教授。精神科医として、主に不安症やうつ病などの治療を担当。『ぐるぐる考えてしまう心のクセのなおし方』(大和書房、税抜1400円)など著書多数