岸愛弓さん

受賞理由 
 水泳部の花形選手として3年間にわたり活躍。特筆すべきは、平成26年度・27年度全国高等学校総合体育大会水泳競技大会「100メートル平泳ぎ」において、2年連続優勝を成し遂げたことである。また、平成27年度国民体育大会水泳競技大会「400メートルメドレーリレー」に栃木県選抜チームとして出場し優勝するなど、各種大会で輝かしい実績を残した。

追われる重圧はねのける

中学3年次の全国中学校大会の平泳ぎで2位に終わり、「その結果が悔しく、高校生になったらもっと活躍したい」と、より競技志向が強まり、練習に打ち込んできた。

練習拠点は、3歳から通っている小山市のスイミングクラブ。週6回、1日1時間半から2時間で5000メートル前後泳ぎ込む。高校に入学してからは「ジムでのトレーニングを多くし、筋力アップを図ってきました」。その成果もあって、2年次の全国高校総体(インターハイ)で日本一に輝いた。「優勝できるとは思いませんでしたが、予選の泳ぎで勝てるかもしれないと欲が出てきた」と、決勝では自己ベストで他校のライバルたちを振り切った。

3年次のインターハイは追われる立場ゆえの重圧もあった。「とても緊張したし、調子も良くなかったのですが、負けたくないという気持ちだけで」連覇を達成した。

卒業後は筑波大学に進学する。視線の先にあるのは4年後の東京五輪だ。

「そのころには、自分も出場できるレベルに達していたらいいなと思っています。でも、今はまだまだ足りないことばかり。大学の水泳部では筋力や体力をつけて、もっと成長したいです」

同じ栃木県出身のオリンピアン、萩野公介選手のように大舞台での活躍を夢見ている。

(小野哲史)

 岸さんへのQ&A 

Q.中学と高校の違いは?

高校生になって、(勉強やスポーツなどで)自主的にやらなければいけないことが増えました。先生に言われたことだけでは足りないこともあって、「自分に必要なことは何か」をその都度考えながら、積極的に取り組むことが大切です。

Q.具体的には?

宇都宮女子高校は特に自主性を重視していて、例えば勉強面では、他の学校に比べると課題は少ないと思います。でも、出された課題だけでは周りの子に置いていかれてしまうので、苦手な教科や分からないことを自分から克服していく努力も必要でした。

Q.勉強と水泳の両立は?

入学したばかりのころは難しかったのですが、だんだん慣れてきました。休み時間も勉強に充てたり、学校のない土日に予習や復習をするなど、時間をうまく使うことで両立できたと思います。

Q.水泳に打ち込むことで得られたことは?

忍耐力が身につきましたし、つらいときも目標に向かって立ち向かっていくことの大切さを学べました。これは水泳以外でも、勉強や日々の生活でも生かされたと思います。

 学校の特色 
現存する公立の女子校で最も長い歴史を有し、今年度創立140周年を迎えた。「強健実践」「自主創造」「温雅清純」「至誠敬愛」「報恩奉仕」の指標を掲げ、生徒の自主性を重んじた教育を行っている。SSH指定校。