Q.定期テストは解けても、模試が解けないのはなぜ?

A.出題分野の「本質」を理解できていない可能性が。

模試では本質を理解しているかが問われる

定期テストが解けて模試が解けないのは、「範囲が広いから」ではなく、「本質の部分が理解できていないから」です。

定期テストでは、授業で習ったことと類似度の高い問題が主に出題されます。それに比べると、模試では類似度が低い問題が多く出題されるため、「見たことのない問題が出た」と戸惑いがちですが、問われている「本質」の部分は定期テストと同じです。例えば、数学のテストで問われるのは「公式を覚えているか」ではなく、「なぜその公式になるかを理解しているか」ということ。模試では教科書とは異なるパターンの出題もされるため、こういった本質の部分を理解していないと得点することが難しくなるのです。

より負荷の高い勉強法を

本質の部分を習得するには、より負荷の高い勉強をする必要があります。問題が解ければよいと考えるのではなく、類題も解いてみる、なぜその解き方になるのかを説明するというように、より「難しそう」「大変そう」と感じる勉強法に切り替えましょう。英単語なら、英語を見て日本語の意味を思い浮かべるだけでなく、日本語を見て英語が書けるかまで確認すると、出題パターンが変わっても対応できる力が身につきます。

模試や入試の対策で重要なのは、難しい問題を解くより典型問題を網羅的に解くことが重要だということです。これが、より多くの類似問題を解くことにつながる上に、穴を減らすこともでき、解くべき問題で落とさなくなります。典型問題を負荷の高い方法で勉強するほうが、難易度の高い少数の問題を解くよりも圧倒的に実力がつくのです。これは難関大学を受験する人にも言えることです。

模試に向けた勉強をすることは入試対策にもつながるので、自分の勉強方法を見直す機会として活用し、勉強の質を上げることを意識していきましょう。

船登惟希(ふなと・よしあき) 東京大学理学部化学科卒業。学習参考書などを多数執筆。著書に「高校一冊目の参考書」(KADOKAWA)、「高校の勉強のトリセツ」(学研プラス)など。