高校生が地域の食材を使ったレシピを考案し、料理とプレゼンテーションで順位を決める「ご当地!絶品うまいもん甲子園」(農林水産省などが主催)。九州代表の鹿本農業高校(熊本)は、農業の課題解決にもつながるレシピを生み出した。(文・写真 田崎陸)

鹿本農業高校は、他校が3人でチームを組む中、松永風音さん(3年)と植島葵さん(3年)の2人での出場。植島さんの姉は、以前この全国大会に参加したことがある。その時は優勝を逃していて、姉の雪辱を期して臨んだ。

鹿本農業高校の2人。その表情は真剣そのものだ

完成させた料理は『あげあげキンパ』。韓国風のり巻き「キンパ」から着想を得て、熊本の名産品「南関あげ(油揚げ)」で具材を包んだ一品だ。中身も地元食材づくしだ。赤米や、きんかんの酵素で柔らかくした地元の豚肉が入っている。きんかんは、高校のある山鹿市が県内生産量1位だ。大会では、規格外で出荷できなくなったものを地元の農家から提供してもらった。

プレゼンテーションにも力を入れた。松永さんは「昨年出場した九州大会では、審査員に味は悪くないと言われたけど、プレゼン力の低さを指摘された。今回は台本を作って何度も練習した」と話す。

優勝・準優勝は逃したが、規格外のきんかんを食用として流通できなくても、有効活用できる可能性を示した。大会前、市長を表敬訪問した際には、「地元食材がたくさん入っていて、うれしい」と声をかけられるなど、地元からの期待は大きいはずだ。

大会の結果・概要はこちら|大会公式サイト