高校生が地元食材を使ったレシピを創作し、調理の腕とプレゼンテーションで争う「ご当地!絶品うまいもん甲子園」(農林水産省などが主催)。その決勝大会が、11月4日に東京・浅草で開かれた。(文・写真 田崎陸)

優勝したのは、福知山淑徳高校(京都)の木下葉月さん(2年)、吉田大樹君(同)、谷口秀一君(1年)。肉じゃがとハンバーガーをかけ合わせた『肉茶がバーガー』を披露した。肉じゃがを選んだのは、メンバー3人のうち2人が住む舞鶴市が発祥の地とされているからだ。和食離れした日本人に向けて、一汁三菜を意識していて、中身には京都の抹茶やしば漬け、京野菜が入っている。

福知山淑徳が考案した「肉茶がバーガー」

開発には半年かけてきた。中でも難しかったのが、バンズの成型だ。じゃがいもとお米を材料にしていて、ベストな温度や水の割合を調べ続けた。メンバーは「バンズ型になるまでが大変だった」と口をそろえた。当日もハプニングがあった。練習時より温度などの条件が変わってしまったため、じゃがいもから粘り気がすごく出ていた。吉田君は「このままではバンズが作れないとパニックになった」と振り返る。それでも、臨機応変に対応し、バンズを完成させた。

審査員からは「料理が運ばれてきた瞬間から良い香りがした」と高評価だった。京都の抹茶を、塩と一緒に上から振りかけたのが香り付けのポイントだ。当初はバンズの中に混ぜるだけだった。だが、地区大会で優勝した後、主催者から派遣されたプロのシェフのアドバイスを参考に、完成した後にも抹茶と塩を振りかけることにした。新鮮な抹茶香りと表面の塩分で、より美味しく感じることできると判断したからだ。

真剣な表情で調理に取り組む木下葉月さん(2年)

優勝し、木下さんは「自分に少し自信を持てた」と話す。3人とも目指すのは調理関係の仕事だ。谷口君は「この経験を活かし一流のパティシエになりたい」と前を見据えていた。

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