兵庫・仁川学院高校1年5組と、折り鶴で作った壁画(同クラス担任・竹中敏寛先生提供)

「平和の折り鶴」
仁川学院高校(兵庫)1年5組

ピカソの名画「ゲルニカ」のレプリカの前で、ひと際異彩を放つ一枚の壁画。兵庫県の仁川学院高校1年5組44人が、10月に開催された同校の文化祭「学院祭」のために制作した壁画だ。

目を見張るほどの大きさ(高さ4メートル・幅7.2メートル)もさることながら、“平和”の二文字と虹の装飾は、すべて折り鶴で作られているというから驚きだ。その数なんと2千羽。「多い人で100羽ほどを担当。1カ月しか作る時間がなかったので、展示当日に間に合わせられるよう、みんなで一致団結して制作に当たりました」とは、まとめ役の橋木日向子さん。地道な作業をコツコツ進めてきたからこそ、出来上がったときの感慨もひとしおだ。

橋木さんとともに制作の取りまとめを行った江原未来さんは、「学院祭当日、足を止めてじっくり見てくれる人が数多くいました。平和への想いが伝わったのかと思うと、うれしくなりました」と目を細める。反戦を象徴するゲルニカを背景に据えたところにも、平和を願うクラスの想いが垣間見える。(山川俊行)

ゲルニカの壁画は、学院祭モニュメント係が制作。グッと寄ってみると、生徒それぞれの平和への祈りが載っているのがわかる
生徒一人ひとりが心をひとつにして、平和への想いをかたちに