全国から選ばれた文化部の高校生が集う第42回全国高校総合文化祭「2018信州総文祭」が8月、長野県内で行われた。日本音楽部門で優秀賞の関西創価高校(大阪)箏曲部は、国立劇場(東京)の「優秀校東京公演」にも参加した。(文・写真 中田宗孝、幡原裕治)

部長の來須君と新部長の笹井さん

本番は「幸せで、楽しくて」

全国高校総合文化祭に17回目の出場となった関西創価高校は、箏(こと)の音色に変化をつけて、穏やかな波や激しくうねる波を表現する楽曲「波の詩」を演奏した。部長の來須航世君(3年)は、「演奏中は幸せで楽しくて。今まで自分たちがしっかり取り組んできた成果が見せられた」と振り返る。曲中では、糸(絃)ではなく、箏の木の部分を爪でこすって音を奏でる独特の技法でも波の音を繊細に描写してみせた。

「あいさつの時間」で心通わせた

普段の練習前には、部長によるあいさつの時間が設けられているという。「良い演奏をするためには、部員同士が信頼しあって心を通わせることが大切」。そう考える來須君は、部員たちを良い方向に導くメッセージを日々送り続けた。新部長の笹井里奈さん(2年)は、総文祭直前に來須君が伝えた「あと5分の努力」に感銘を受けたと話す。「練習が大変だな、しんどいなと感じても『あと5分、頑張ってみよう』という心持ち。とても鼓舞されました」。部長の言葉が、本番での部員26人による心合わせた演奏につながった。

波の音を繊細に表現した生徒たち