国が高校生の留学を応援する「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」の奨学生として昨年ドイツとチェコに3週間留学した多田愛海さん(京都光華高校3年)に体験記を寄せてもらいました。

私は、夏休みの3週間を利用して、ドイツのフランクフルトとチェコのプラハなどに留学をしました。留学の主な目的は、語学力向上、キリスト教という宗教を知る、宗教信仰の盛んなドイツ・無宗教国家のチェコの人々の宗教観の調査兼比較、仏教の魅力・日本伝統の和歌を知って頂く―の4点でした。

チェコのプラハで街の人に宗教に関するイメージや仏教の魅力についてについてインタビューした

語学力向上の為に、平日は語学学校でドイツ語を履修しました。 その他調査の為、放課後等の空き時間を利用して街中や公園等でアンケート・インタビュー活動を行いました。

私が高校生という時期に留学をしたのは、自分自身が大きく成長できる時期だと思ったからです。海外という見知らぬ土地で生活する事で自分を試すことができ、また、早い段階で将来を見つめる事ができると思いました。留学を振り返ると、高校生という子どもと大人のはざまの時期に留学をした事で、純粋に物事を見られる子どもの目と、客観的かつ論理的に物事を見られる大人の目、2つの目を持ち合わせている時期での留学で、さまざまなものの見方と考え方で、より深い学びにつながったと思います。そのような点でも、高校生という時期に留学して、大きく成長する事ができました。

「良い大学、良い会社」ではない生き方に気づく

私の留学を一言で表すならば「自分の人生観が変わった留学」だと思います。

宿泊先のユースホステルで友達に信仰している宗教についての信仰理由やイメージアンケートをした

それは、多様性に富んだ生き方をしている方々に出会ったからです。レーサーになる夢をかなえるために高校に進学をしない道を選んだ人、学校を1年休学しドイツ留学した人、自分探しのためにドイツに来た人など、本当にさまざまな生き方があるのだと知り、刺激をもらい、感化されました。留学するまでは、周りの人が言う、「良い大学に入って良い会社に行く」という考え方に何の疑問も浮かばなかったですし、人生においてそれが最適の道なのだと思っていました。でも、いろいろな人との出会いの中で「生き方はオリジナルで良いのだ」と気付かされました。「自分にしかできない生き方をしたい、もっと自分の手で人生を切り開いて生きていきたい」と思うようになりました。私の出会った人は、自分の決断と責任でその人の人生を生きていました。本当に素晴らしいと思い、私も自分の責任で自分の人生を生きたいと思いました。私の人生観を変えてくれた方々のように、自分で自分を語れる人になるのが私の目標です。

現地でできた友達と動物園に行った

日本にいるだけでは成長できない

また、この留学を経て、「将来、中高の宗教科の教師になる」という夢もできました。そのために、まずは宗教を学べる大学に行き、仏教を深く学んだ上で他宗教についても学びます。語学面では、さらなる語学力向上を目指し英語や多言語を学びます。まずは英語を母国語以上になるまで習得し、その後多言語も習得します。

そして、大学でもう一度留学します。今回の留学を通して、日本の中にいるだけでは人としての大きな成長や自分を変える事はできないと気付きました。常に向上心を忘れず、自分の殻を破り続ける人になる事が今後の目標です。