高校生に知ってほしい、正しい勉強方法の基本について、家庭教師や塾経営を経て参考書などを多数執筆している船登惟希さんに教えてもらった。(安永美穂)

Q.成績の良い人のノートの特徴は?

 

A.見直したときに授業を思い出せる工夫を。

「板書+先生の言ったこと」を書く

ノートを取るときに重要なのは、「授業が再現されるノート」を作ることです。板書をただ写すだけではなく、先生が「ここが重要」と言ったポイントに印をつけたり、「資料集のP.●●を参照」とメモしたりしておくと、見直したときに授業の内容を思い出せます。こうした書き込みができるように、ノートは余白をあけて取るようにしましょう。ルーズリーフは前回の授業のものを忘れてしまうこともあるため、習ったことをいつでも確認できるようにするには、科目ごとにノートを用意した方がよいでしょう。

情報の関係性が分かるように

ノートを取るときは、情報の関係性を明確にしながら書くことも大切です。例えば、A,B,Cという3つの項目を書く場合、これら3つが並列の関係にある事柄なら、A,B,Cのそれぞれを書き始める位置(行の頭)をそろえます。Aという大きな項目の中にBとCという小さな項目が含まれるのであれば、Aを書き始めた位置から1文字分右にずらして(縦書きなら1文字分下げて)BとCを書くようにすると、「Aの中にBとCが含まれる」という関係性が一目で分かります。

きれいなノートを作る必要はない

ノートは自分が分かるように書いておけば、字は雑でもかまいません。字をきれいに書いたり、色ペンでカラフルにしたりすること気を取られて、先生の話を聞き逃してしまうようでは本末転倒なので注意が必要です。

 

船登惟希(ふなと・よしあき)  東京大学理学部化学科卒業。学習参考書などを多数執筆。著書に「高校一冊目の参考書」(KADOKAWA)、「高校の勉強のトリセツ」(学研プラス)など。