全国の高校生が自作した鉄道ジオラマのできばえを競う「第10回全国高校鉄道模型コンテスト2018」(8月4日・5日、東京ビッグサイト)が開催された。海城高校(東京)鉄道研究会は、渋谷駅の風景や函館の路面電車を表現した。(文・写真 中田宗孝)
工事中の今の渋谷駅をジオラマで残したい
Nゲージサイズ(実際の電車の1/150の大きさ)の鉄道ジオラマを制作する「モジュールレイアウト部門」には、部長の大倉諒馬君(2年)ら3人による作品「渋谷~人・文化・鉄道が交わる街~」を出展。山手線や銀座線などが走行する渋谷駅前の風景を約4カ月かけて制作した。百貨店の3階部分に銀座線渋谷駅のホームがある特徴的な構造を忠実に再現。また、百貨店の上部は取り外しできるようなっており、観客が鑑賞できるように工夫を凝らした。
現在、実際の銀座線渋谷駅は、移設のための工事(2021年完成予定)が進められている。「近い将来、見られなくなってしまう今の渋谷駅の姿をジオラマとして形に残しました」(大倉君)。本作は、20校が選ばれた「ベストクリエイティブ賞」と、優秀な作品紹介動画を制作した10校に贈られる「ベストムービー賞」を受賞した。
春の函館の路面電車がテーマ
畳一畳分のスペースの中に鉄道ジオラマを制作する「一畳レイアウト部門」にも出展した。「春めく北の港町」と題した、北海道函館市内を走る路面電車・函館市電の沿線風景を制作。函館山や五稜郭タワーといった観光名所も精巧に作りあげ、作品内にちりばめている。制作責任者の楊光大君(2年)は、「僕の大好きな函館の街の魅力が伝えたかった」と、ジオラマに込めた思いを明かす。