全国の高校生が自作した鉄道ジオラマのできばえを競う「第10回全国高校鉄道模型コンテスト2018」(8月4日・5日、東京ビッグサイト)が開催された。137校がエントリーした「モジュールレイアウト部門」で過去2度の最優秀賞の実績を持つ、共立女子中学高校(東京)地理歴史部が優秀賞を受賞した。(文・写真 中田宗孝)
山梨や千葉、浜名湖にフィールドワーク
「モジュールレイアウト部門」は、Nゲージサイズ(実際の電車の1/150の大きさ)の鉄道ジオラマを制作する。部員17人で約2カ月かけて制作した作品「山寺」は、賑わう朝市の様子や、厳かな雰囲気に包まれる寺といった趣の異なる風景を鉄道ジオラマに盛り込んだ。
同部は、校外でのフィールドワークが主な活動で、そこで得た知識や見聞をジオラマ作りに反映させるのが特徴だ。部員たちは、昨年12月から山梨県上野原市の寺と墓、千葉県勝浦市の朝市、海苔の養殖を行う浜名湖(静岡県浜松市・湖西市)などを日帰りで巡った。「訪れた場所を作品のモデルにするのですが、現地で暮らす方々ともコミュニケーションを図り、その地域ならではの生活様式もジオラマ作りに生かします」(部長の長峯由華さん・2年)
表現する風景の日時を設定
手掛ける作品は、日時まで設定するのがならわしで、今作では「春分の日、午前10時の山寺」の情景を表現している。「3月末の出来事なので、海苔の養殖は終わる時期。ですので、作品には海苔の養殖をしている様子ではなく、橋脚の下に養殖に使う道具だけを束ねてある光景を再現しているんです」
部として3度目となる優秀賞、来場者が選ぶベストワン賞を受賞。長峯さんは、「日本の美しい風景を取り入れた、私たちらしい作品ができました」と、好結果をかみしめた。